人工知能(AI)技術は長らく医療業界で注目を集めていたトレンドだったが、2020年には蜜月が終わる可能性がある。米国の医療業界は、国民皆保険制度「メディケアフォーオール」計画の動向を慎重視している。
Forrester ResearchとFrost & Sullivanという2つの調査会社が、2020年の医療業界におけるトレンドを予測している。前編「2020年に『遠隔医療』と『健康の社会的決定要因の分析ツール』に注目が集まる理由」に続き後編となる本稿は、医療機関の最高情報責任者(CIO)向けに、米国の医療業界における2つのトレンドを解説する。
メディア企業Forbesが2019年12月に発表した予測では、画像診断システム市場では、人工知能(AI)技術の市場規模が2020年に4億ドルを突破する可能性があるという。だがFrost & Sullivanでアナリストを務めるカマルジット・ベエラ氏によると、AI技術ベンダーの前途は厳しいという。同氏は「AI技術ベンダーは、『AI技術を使っても害はない』と医療従事者を納得させるために、データの使用方法を見直し、アルゴリズムを調整した上で、AI技術を導入する必要がある」と考える。
「放射線医学および画像診断は、臨床でAI技術を利用する分野の中でも特に成熟している」とベエラ氏は述べる。だが2020年には、放射線医学でさえAI技術を拒む可能性があるという。同氏は次のように問題を指摘する。「近年、AI技術は飛躍的に進歩し、病気を発見して診断する能力を大きく向上させた。一方で非常に重要な疑問がまだ残っている。それは『トラブルが起きたらどうなるか』という疑問だ」
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