大学がNutanixの「HCI」と「DRaaS」で実現した共用データセンターとは?大学の「HCI」活用【前編】

DR対策の一環でデータセンターを刷新したアラバマ農工大学は、そのデータセンターを他の大学が利用できるようにした。同校の取り組みを説明する。

2020年08月25日 05時00分 公開
[Dave RaffoTechTarget]

 アラバマ州北部の竜巻多発地帯にあるアラバマ農工大学(AAMU:Alabama Agricultural and Mechanical University)は、竜巻被害対策として災害復旧(DR)計画を立てた。ところがそのDR計画は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という“見えない竜巻”に見舞われたときも役に立った。AAMUはアフリカ系アメリカ人のために設立された高等教育機関「HBCU」(歴史的黒人大学)の一つだ。

コロナ禍で進んだ他大学とのデータセンター共有

 AAMUは2019年後半、竜巻災害に備えてデータセンターを刷新した。NutanixのHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)を導入してシステムを配備し、同社のDRaaS(Disaster Recovery as a Service)である「Xi Leap」を採用した。DRaaSとはベンダーがデータのレプリケーションとデータ保持、復旧作業を実施するサービスを指す。クラーク氏によると、DRaaSを利用できることが、Nutanix製品を採用した目的の一つだった。

 2020年春に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が発生してからは、AAMUはNutanixのDaaS(Desktop as a Service)である「Xi Frame」も追加した。合わせてオンライン講義に切り替え、少なくとも同年の夏学期中は学内施設を閉鎖することにした。その際に、もともと竜巻災害対策として用意していたデータセンターが役立つことになった。

 「災害で大学の施設を使用できなくなっても、Xi Leapを利用すればリモート操作で大学運営を維持できる」というのが、データセンター刷新当時のAAMUの考えだった。このときはまだ、まさか“全米の学校がリモートでしか運営できなくなる日”が来るとは誰も想像していなかっただろう。

 「COVID-19流行以前は、単に既存インフラの改善という考えにすぎなかった。今になってみればデータセンターの刷新は必要不可欠だった」と、AAMUの最高情報責任者(CIO)であるダミアン・クラーク氏は語る。COVID-19という“大竜巻同様の災害”に見舞われたときも、オンライン化への技術的切り替えは数日で遂行できたという。

 クラーク氏によると、アラバマ州内のHBCUはAAMUがデータセンターを刷新するよりも前に、ITリソースを共有するための非公式な共同体(コンソーシアム)を結成していた。そこでAAMUはコンソーシアム加入大学に対して、今回構築したDR対策済みデータセンターの利用を許可した。

 「全ての大学にデータセンターが必要とは限らない」とクラーク氏は話す。データを取り扱うインフラを一カ所に集約すれば、一部の大学はデータセンターが不要になる。コンソーシアム加入大学がAAMUのデータセンターを利用できるようになることで、そうした集約的な構造が実現した。同氏によると、他の大学はWebブラウザでAAMUのデータセンターを運用できる。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news131.jpg

「ダークパターン」の認知は2割にとどまる――クロス・マーケティング調査
調査会社のクロス・マーケティングが実施したダークパターンに関する調査(2024年)の結...

news050.jpg

ウェルビーイング調査 今後最も力を入れたい分野は「身体」、優先度が低いのは?
ASAKO サステナラボは、独自の「60のウェルビーイング指標」により生活者の充足度を数値...

news068.png

10代の7割超がショート動画を「ほぼ毎日見ている」――LINEリサーチ調査
LINEリサーチは全国の男女を対象に、ショート動画に関する調査を実施しました。