「Azure VMware Solution」は、VMware製品をクラウドサービスで利用できる点で「VMware Cloud on AWS」と似ている。Azure VMware Solutionを選ぶべき理由は何か。
MicrosoftとVMwareは2020年5月に、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」でVMwareの仮想化製品群を利用するためのサービス「Azure VMware Solution」次世代版のプレビューを発表した。ユーザー企業はAzure VMware Solutionを利用することで、VMware製品で構築したアプリケーションのコードを変更する必要なく、Azureで稼働させることができる。
Amazon Web Services(AWS)も、VMware製品をAWSの同名クラウドサービス群で利用するためのサービス「VMware Cloud on AWS」を提供する。Azure VMware SolutionとVMware Cloud on AWSは機能に幾つかの違いがあるものの、似ている点もかなりある。こうしたサービスを使えば、ユーザー企業はオンプレミスのインフラからクラウドサービスにアプリケーションを移行させても、VMware製品をそのまま利用できる。クラウドサービスとVMware製品両方のメリットを得つつ、一貫性を保てるのだ。
Azure VMware Solutionは、最小3つのノード(仮想マシン)で利用できる。Azure VMware Solutionの利用料金は月額6720ドルからで、1年契約で30%、3年契約で50%の割引が受けられる。Azure VMware Solutionの利用料金には、VMware製品のライセンスも含まれる。
利用料金だけ見ると、Azure VMware SolutionはVMware Cloud on AWSとそれほど変わらない。Azure VMware Solutionには、一部のIT担当者にとって役に立つ可能性がある特徴がある。Microsoftは既にサポートを終了させたサーバOS「Windows Server 2008」とデータベース管理システム(DBMS)「SQL Server 2008」のセキュリティ更新プログラムの提供期間を、Azureで稼働させる場合に限り無償で延長するのだ。
古いバージョンの「Windows Server」で稼働するレガシーアプリケーションの管理者にとっては、AzureやAzure VMware Solutionへの移行はアプリケーションを使い続けるための選択肢の一つとなる。サポート切れOSのメンテナンス費用に加え、IT管理者の時間や労力を節約できる可能性もある。
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