仮想化技術の浸透に伴ってインフラが変化し続ける中、IT管理者が習得する必要がある技術も変化している。注目すべき技術とは何か。専門家が解説する。
IT管理者はシステム需要の拡大に応じてインフラを拡充しなければならない。GPU(グラフィックス処理プロセッサ)仮想化やエッジコンピューティングといった新しい技術を取り入れるために、インフラの変更が必要になることもある。インフラが変われば、IT管理者に必要なスキルも変化する。
IT管理者は今、どのような技術を学んだ方がよいのか。注目の技術は何か。仮想化技術を中心に、複数の専門家に話を聞いた。
企業の間で普及しつつある技術が「コンテナ」だ。勤務先の企業がまだコンテナを運用していなくても、将来的にコンテナを導入し、自社のインフラに大きな影響を与える可能性がある。「Docker」はコンテナ管理ツールのデファクトスタンダードとなっている。IT管理者はコンテナをDockerでデプロイ(展開)する方法を習得しておくとよい。仮想マシン(VM)とコンテナの違いも理解しておく必要がある。
IT管理者はクラウド技術にも十分精通していなければならない。クラウドサービスとオンプレミスのインフラとの境界は、徐々に薄れつつある。企業は自社で管理するVMを、オンプレミスのインフラからクラウドサービスに移行させることができる。クラウドサービスとオンプレミスのインフラの両方でアプリケーションを動かすハイブリッドクラウドに関するスキルを身に付けておけば、クラウドサービスとオンプレミスのインフラという2種類のインフラを必要に応じて使い分けることができる。
インフラの構成管理ツールを使いこなせるようにすることも必要になる。Red Hatが開発するオープンソースソフトウェア(OSS)の「Ansible」は主要な構成管理ツールだ。管理者はAnsibleを利用することで、単一のインタフェースでコンテナやVM、物理マシン、クラウドサービスを管理できる。
IT部門の業務はサイロ化したシステムや環境の管理から、複数のインフラの一元管理に変わりつつある。IT管理者は、ハイブリッドクラウドを管理するためのスキルを身に付けていれば、しばらくは安定して仕事を確保しやすくなる。(ITコンサルタントのサンダー・バン・バグト氏談)
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