2021年02月16日 08時00分 公開
特集/連載

DevOps実現を妨げる5つの勘違い真の可能性はそこじゃない

DevOpsの解釈に正解はないが、間違いはある。DevOpsの解釈を間違えたまま実践しても真の価値は得られない。

[Kai Hilton-JonesComputer Weekly]

 DevOpsには解釈の余地が多い。チームが迅速かつ確実にソフトウェアをビルド、テスト、リリースできるようにプロセスを自動化・統合する一連の文化的なガードレールでありプラクティスだというのが大半の企業が考えるDevOpsだ。この考えも間違いではないが、全体像ではない。

 この表現に欠けているのはソフトウェア開発チームと運用チームの間に不可欠な人的要素だ。両チームのギャップの橋渡しをするのがコラボレーションだ。これによってチームは適切なソフトウェアを迅速にリリースできる。

 ソフトウェアの品質と安定性を高め、リードタイムを短縮し、プロセスを自動化するのがDevOpsだ。だがもっと重要なのは、エンドユーザーに価値を提供するため、DevOpsによって役割をまたがるコラボレーションを可能にすることだ。

 イデオロギーを転換すれば、DevOpsとは何であるかを把握するのは容易になる。そうなれば、DevOpsの真の可能性を妨げている以下の誤った通念を打破できる。

1.DevOpsを「適切に」行う方法が1つある

 これは誤りだ。

 企業のニーズ、制約、目標はそれぞれ全く異なる。統一アプローチは目的に沿わない可能性がある。ある企業で機能したツールやプロセスが別の企業でも同じ効果を発揮するという保証はない。

 DevOpsを成功に導く共通のプラクティスと原則はある。それらはガイドであるべきで、事前に定められた答えではない。自社の感性を信頼する必要がある。DevOpsの人的要素に注目することが、幸先の良いスタートを切る確実な方法だ。

2.DevOpsツールを購入することがDevOpsを実行すること

 適切なツールへの投資は重要なステップの一つだ。だが成功につながる早道ではない。ツールと自動化はDevOpsを実装する方法であって、DevOpsそのものではない。適切なツールを選ぶことは非常に重要だが、何よりもまずDevOpsの文化を確立する必要がある。

 コラボレーションの目的を見失い、DevOpsの実行に必要なツールばかりに目を向けていては成功はおぼつかない。

3.DevOpsはアジャイル開発と同じだ

 これはよくある誤った通念だ。この2つを混同してはいけない。アジャイル、リーン、エクストリームプログラミング、その他の「迅速に作業して、頻繁にリリースする」プロセスはDevOpsの重要な部分だが、DevOpsとは何かを定義するものではない。

 アジャイルはソフトウェアのリリースを早めるのに役立つ可能性がある。だがソフトウェアライフサイクルの中でチームのコラボレーションを促す力はない。アジャイルだけでは、特にチームがサイロ化している場合は、チームの手に余る可能性がある。

4.DevOpsとセキュリティは別個に存在できる

 確かに別個に存在することは可能だ。だが絶対にそうすべきではない。セキュリティは、リリースと同程度の共同責任にする必要がある。

 DevOpsチームは自動化、コラボレーション、コンテナによってソフトウェアの提供速度を上げる方法を見つけている。だが、セキュリティのプロセスが組み込まれていなければ遅くなる。チェックのためにコードをセキュリティチームに渡すだけでは、その頻度が多くなるほど結果が悪くなるのは予想できる。

 代わりに、DevOpsチームにセキュリティを持ち込むのがDevSecOpsだ。DevSecOpsは開発ライフサイクルの各段階で必ずセキュリティを優先する。プロセスにセキュリティを浸透させることで、ほとんど遅れが生じることなく適切で安全性の高いソフトウェアをリリースできる。

5.DevOpsはソフトウェアの品質と安定性を向上させるものにすぎない

 あらゆるプロセスにその最終成果が浸透している組織であれば、DevOpsはソフトウェアの品質を向上させる方法にすぎないと片付けることはできる。ワークフローを自動化すれば、各担当者は手元の仕事に専念でき、文化が改善されて、燃え尽き症候群が少なくなる。

 DevOpsはソフトウェアを迅速にリリースするだけでなく、組織全体とソフトウェアのユーザーの価値を高めるものでもある。このように組織の見通しを微調整することは、DevOpsをどのように見、どのように評価するかにとって非常に重要だ。

 DevOpsを成功に導く一つの道はないかもしれない。だがチームの文化、目標、強みを反映する共通原則に基づいてDevOpsを構築することに力を注いでいる組織は、正しい道を歩んでいる。

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