MySQLとMySQL Analytics Engineを統合し、単一プラットフォームでOLTPとOLAPのワークロードを実行できるサービスが登場した。DWHを使わずにデータの分析が可能になるという。
Oracleがやたらと長い名前の製品「Oracle MySQL Database Service with integrated MySQL Analytics Engine」(以下MySQL with Analytics Engine)の提供を開始した。同製品はデータサービスの基礎となるIaaS「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)に最適化されている。
MySQL with Analytics EngineはOLTP(オンライントランザクション処理)とOLAP(オンライン分析処理)のワークロードに単一プラットフォームを提供する唯一のMySQLサービスだという。OracleがOLTPやOLAPを提供するのは、(Oracleによると)この方法がアプリケーションを迅速かつ安全に構築・実行するのに必要なデータ処理の組み合わせだからだ。
「MySQL Analytics Engine」は数千コアによるリアルタイム分析をサポートする新たなインメモリ分析アクセラレーターだ。Oracleによると、Amazon Web Services(AWS)のデータウェアハウス「Amazon Redshift」より少なくとも2倍高速で、「最大で66%安価になる」という。
同社はStack Overflowの「2020 Developer Survey」を引用し、MySQLは地球上で最も人気の高いデータベースであり、全世界のソーシャルネットワーク、Eコマース企業、銀行、メーカー、ハイテク企業が使用していると説明する。
MySQLはOLTPに使われるのが一般的だ。だがMySQLを運用する企業の大半はMySQLに格納したデータを分析する必要もある。その場合、従来はMySQLのデータをETL(抽出、変換、読み込み)処理して別の分析データベースに移動しなければならなかった。
Oracleのエドワード・スクレベン氏(チーフコーポレートアーキテクト)は、MySQL with Analytics Engineは分析とOLTP向けの完全マネージドスケールアウトサービスで、MySQLのOLTPワークロードとOLAPワークロードをユーザーが直接実行できる唯一のサービスだと話す。
「MySQLは開発者に最も人気があるデータベースで、さまざまな業界の企業が利用している。だが今日まで、分析を行うにはMySQLのデータを互換性のない別のデータウェアハウスに移動することを余儀なくされてきた。これにはコストがかかり、答えを得るのに時間を要する。MySQLエンジニアリングチームの最新のイノベーションにより、Oracleは単一の統合プラットフォームを開発者とデータベース管理者に提供する唯一のプロバイダーになった。この製品により、MySQLアプリケーションに一切変更を加えることなくパフォーマンスの高いリアルタイム分析を実行できるようになる。その結果、OCIがMySQLアプリケーションを実行する最適な場所になる」(スクレベン氏)
開発者がこのサービスをスピンアップすると、MySQLのデータが分析エンジンのメモリ内に設定されるため、専用データベースへのETL処理は不要になる。さらにMySQL互換のツールやアプリケーション全てと連携し、クエリをMySQL Analytics Engineに自動的にルーティングする。
「MySQL Analytics Engineは大規模なスケールとパフォーマンスを実現するため、分析クエリのパフォーマンスを400倍高速にする。MySQL Analytics Engineはインメモリのハイブリッドな列指向の処理、OCI向けに最適化されたノード間およびノード内の並列処理、分散クエリ処理アルゴリズムを提供すると同時に、時間がかかるETLタスクの負担をデータベース管理者から取り除く」とOracleはプレス発表に記している。
Oracleはベンチマークコードを公開しているため、ユーザー自身でベンチマークを実行することもできる。
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