北米やアジアに複数の拠点を擁する建築会社が、ストレージをオンプレミスからクラウドNASに移行。各地からのファイルアクセスとコスト削減に成功した。
建築会社Jerde PartnershipはオンプレミスのストレージをNasuniのハイブリッドクラウドNASゲートウェイに置き換え、ストレージとバックアップのコストを約20%削減。共同作業用のファイルへのリモートアクセスが実現した。
米ロサンジェルスを拠点とする同社は上海、香港、シンガポールのオフィスに100人のスタッフを擁し、Treasure Island Hotel and Casino、Bellagio、Wynn Las Vegasなど、ラスベガスのランドマークとなる多くの建造物に携わってきた。
Jerde Partnershipのジョー・マランド氏(CIO:最高情報責任者)は、同氏が入社した16年前とは働き方が大きく変わったと話す。
「入社当時、当社はPalms Casino Resortに取り組んでいた。木曜日にラスベガスに飛び、変更点を携えて戻り『AutoCAD』で変更点を反映する。翌木曜日には再びラスベガスに行く」(マランド氏)
「ワークフローは本当に変わった。建築用ソフトウェアが複雑になり、データ量が飛躍的に増加している。そのデータの大半は非構造化データで、データ同士がリンクされている部分もある。世界中の多くのスタッフが共同作業するようになった」(マランド氏)
マランド氏によると、同社の働き方が変わったことで生じた最大の課題はデータの移動に要する時間だという。
「Jerde Partnershipは、全スタッフが同じファイル構造と同じデータで作業する必要があると考えている。異なるオフィスのスタッフがシームレスに作業するには、タイムゾーンをうまく利用する機能が不可欠だ」とマランド氏は話す。
Jerde PartnershipはNasuniファイラーに約15TBのデータを保存している。そのデータは「Microsoft Azure」のクラウドストレージにレプリケートされる。スタッフはそのデータにタブレットやスマートフォン、PCなどの端末でNasuniのアプリを使ってアクセスできる。
「ロサンジェルスで17時に作業を終えてファイルを保存したとする。その後、中国のクライアントサイトで午前中にウォークスルーを行い、そこに変更を加えることができる」
Jerde Partnershipのデータの大部分はAzureに常駐する。ただし、最近使ったデータはローカルのキャッシュにも保持される。
マランド氏によると、若干のタイムラグがあるという。その時間はユーザーの待ち時間、帯域幅、時間帯によって異なる。「一日の終わりに多くのスタッフが書き込みを行うと、同期時間が長くなる可能性がある」
以前はオンプレミスのストレージとバックアップを全て自社で管理しなければならなかった。現在はその大部分を管理する必要がなくなったことが大きなメリットだ。その結果、ストレージとバックアップのコストを合計で約20%節約できたとマランド氏は話す。
今後のバージョンでNasuniに改善してほしい点はあるかと尋ねたところ、同氏は次のように答えた。「リモートアクセス用のアプリは、特定の種類のファイルでは非常にうまく機能する。だがもっと効率化できるはずだ。フォルダに50個のJPEGファイルがあり、その中の1つだけが必要だとする。しかしアプリは全ファイルをダウンロードする。その点は改善の余地がある」
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