医療ITニュースフラッシュ
徳島県がNTTドコモの「5G」「クラウド」で遠隔医療システム構築 その目的は?
徳島県が5Gサービスとクラウドサービスで県立病院向け遠隔医療システムを構築した事例や「オンライン資格確認」の導入に役立つ新サービスなど、医療ITに関する主要なニュースを取り上げる。
医療機関は2021年3月にプレ運用が開始した「オンライン資格確認」や、2024年4月に医療従事者に適用される時間外労働上限規制への対処を迫られている。こうした医療機関の課題解決を支援する新製品・新サービスの登場や、徳島県の複数の県立病院における遠隔医療システムの導入事例など、医療ITの主要なニュースを紹介する。
福井大学医学部附属病院、電子カルテシステムを「IBM Cloud」に移行
同院は2021年4月、医療システムの中核として運用する電子カルテシステムを、オンプレミスのインフラからIBMのクラウドサービス群「IBM Cloud」に移行させた。人工知能(AI)技術やIoT(モノのインターネット)などの最新技術を迅速に取り入れたり、必要な時に必要な分だけリソースを調達できたりするクラウドサービスのメリットを生かす。インフラの構成には、システムの特性に合わせてオンプレミスインフラとクラウドサービスを使い分けるハイブリッドクラウドを採用し、既存のオンプレミスインフラでは放射線画像データといった高解像度かつ大容量のデータを利用するシステムを稼働させる。(発表:福井大学医学部附属病院、日本IBM<2021年3月2日>)
徳島県が5Gとクラウドで遠隔医療を実現 病院間の高速データ伝送を可能に
NTTドコモの5G(第5世代移動通信システム)サービスとクラウドサービス群「ドコモオープンイノベーションクラウド」を利用して、遠隔医療支援システムを構築した。医療機器から取得した大容量データや高画質な映像を5Gによる通信で高速に伝送できることが特徴だ(図)。徳島県立中央病院と徳島県立三好病院、徳島県立海部病院は2021年中に今回の遠隔医療支援システムを導入し、県立病院間の医療データの伝送に使用する。三好病院や海部病院は、中央病院から自動車で約1~2時間離れた距離にあり、専門医や患者の移動による負担が課題となっていた。徳島県はシステムの導入により移動の手間を軽減し、都市部から離れた県立病院でも中央病院と同等の医療サービスを提供できるようにする。心電図や内視鏡などのデータを伝送することによる遠隔医療支援の他、訪問医療の支援や若手医師への指導への活用も見込む。(発表:NTTドコモ<2021年3月19日>)
国立病院機構、140カ所の医療機関に「Cisco Webex Meetings」を導入
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により地域をまたいだ人の移動が制限される中で、国立病院機構に所属する医療機関間のリアルタイムの情報共有や意思決定を可能にし、病院運営を効率化することを目的とする。Web会議サービスであるCisco Webex Meetingsの採用に当たっては、PCやスマートフォンといったマルチデバイスで会議参加が可能な点や、マニュアルを確認しなくても容易に操作できる点を評価した。Cisco Webex Meetingsとインタラクティブホワイトボード(IWB:電子黒板)の「Cisco Webex Room 55」を組み合わせて、Webカメラの自動フォーカス機能や音量の自動調整機能なども活用する。これらのサービスと製品を使用することで、医療従事者の遠隔会議や研修などを円滑に開催することが可能になったという。(発表:シスコシステムズ<2021年3月15日>)
2020年は電子カルテ市場が縮小、その理由は 矢野経済のEMR・EHR市場調査
矢野経済研究所は電子カルテを含むEMR(電子健康記録)・EHR(電子医療記録)市場に関する調査結果を発表した。2020年度(2020年4月~2021年3月)のEMR・EHR市場規模は、2019年度の2784億3600万円から4.3%減の2665億200万円になる見込みだ。同社はCOVID-19の流行により2020年3月ごろからシステムベンダーの営業機会の損失が顕著になり、医療機関内で導入検討会議や導入作業の遅延が生じたこと、診療所の新規開業件数が減少したことなどが市場縮小の要因になると推測する。(発表:矢野経済研究所<2021年3月3日>)
医療従事者の時間外労働を厳格管理 富士通Japanが勤務管理ソフトを提供
医師や看護師などの医療従事者の勤務時間や職員情報を管理するためのソフトウェア「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE タイムリフォーマー V1」の提供を始めた。同製品は打刻管理機能の他、24時間365日交代で勤務する看護師向けの勤務表作成機能などを搭載する。富士通Japanは同製品の提供を通じて、2024年4月に医療従事者に適用される働き方改革関連法の時間外労働上限規制にのっとった、医療機関の適正な労働時間管理を支援するという。価格は最小構成で50万円(税別)から。医療従事者の免許や資格などの経歴情報を記録できる「職員管理オプション」や打刻時間と実際の勤務時間の乖離(かいり)を防ぐ「超過勤務管理オプション」など、各種有償オプションも提供する。(発表:富士通<2021年3月31日>)
「オンライン資格確認」の機器調達を支援 リコージャパンが新サービス
新たに提供する「RICOH オンライン資格確認システム」は、顔認証付きカードリーダーやPC、ルーターといった、オンライン資格確認システムへの接続に必要な機器の調達と導入設置作業、保守サービスを提供する。ユーザー医療機関から直接問い合わせを受け付けるコールセンターも設置し、リコージャパンの全国の拠点から機器の訪問保守を実施する。厚生労働省が導入を進めるオンライン資格確認は、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が共同で管理するシステムから、医療機関や薬局が患者の健康保険の資格情報をオンラインで取得するための仕組み。情報の取得には患者のマイナンバーカード(個人番号カード)のICチップまたは健康保険証の記号・番号を使用する。取得した情報を自動で院内のシステムに取り込むことができるため、事務作業の作業負荷を軽減し、ミスを防ぐことができる。(発表:リコージャパン<2021年3月1日>)
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