確実にシステム復旧できるかどうかがDRにおいては重要だ。「Zerto Virtual Replication」と「Veeam Backup & Replication」でDRを確実にするための選択とは。
「Veeam Backup & Replication」は、バックアップとDR(ディザスタリカバリー)に使えるソフトウェアだ。第1回「HPE買収のディザスタリカバリー製品『Zerto』とは ランサムウェア対策も?」で紹介した「Zerto Virtual Replication」と同じく、Veeam Backup & Replicationは非常に短い「目標復旧時点」(RPO)を目指すことができる。
必ずしもRPOをゼロに近づけることを目指すのではなく、Veeam Backup & Replicationはシステムの重要度に基づいてDRの要件を設定できる階層的な手法を取り入れている。重要度の低いシステムであれば、レプリケーション(データの複製)によるデータの同期頻度を下げることで、ネットワークやハードウェアのリソースを節約できる。
Veeam Backup & Replicationにはレプリケーションではなく、バックアップからシステムを復旧させる選択肢もある。この方法は運用管理の負担が大きくなることもあるが、バックアップや復旧の要件によって負担は大きく変わる。
Zerto Virtual Replicationと同様、Veeam Backup & Replicationのバージョン11はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)からの防御機能を追加した。
DR製品としては、仮想マシンのDRができるかどうかをテストして、検証する機能が重要だ。Zerto Virtual ReplicationとVeeam Backup & Replicationは、どちらもテスト専用に隔離した仮想環境に仮想マシンをフェイルオーバー(待機系への自動切り替え)させる機能を持つ。管理者はこれを使って、全てが期待通りにDR機能が動作することを確認できる。
システムが大規模になるほどフェイルオーバーを正しく動作させることは難しくなる。どちらの製品でも管理者はAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使用し、サードパーティー製のツールを使ってタスクを自動化することが可能だ。
Zertoは自動テストツールの「Zerto Orchestrator」を提供する。Zerto Orchestratorはフェイルオーバーテストをスケジュールに従って自動実行し、テストが正常に完了するかどうかを確認する。失敗した場合は管理者に通知する。
Veeam Softwareのオーケストレーションツール「Veeam Disaster Recovery Orchestrator」はDRやテストの自動化機能を備え、管理者がフェイルオーバー後に実行できる一連のスクリプトを組み込んでいる。例えば、テストでフェイルオーバーを実行して新たに作成された仮想マシンに対し、MicrosoftのWebサーバ「Internet Information Services」(IIS)が正常に応答しているかどうかを確認できる。DRテストやフェイルオーバーの検証ツールとして役立つだろう。
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