環境に配慮したデータセンターを作るには、エネルギー効率の向上と再生可能エネルギーの使用が欠かせない。この2つを実現するためのこつを紹介する。
IT機器の稼働や冷却に大量のエネルギーを必要とするデータセンター。環境保護と電力コスト削減を追求する“エコ”なデータセンター作りが進んでいる。前編「適温は27度? 『環境に優しいデータセンター』の“新常識”」はデータセンターの省エネルギー化を考えた。後編となる本稿はエネルギー効率の向上と再生可能エネルギーの使用を切り口にした取り組みを紹介する。
環境に配慮したデータセンターを実現するためには、エネルギー効率の高いIT機器を導入することも有効だ。オフィス機器の省エネルギー制度「国際エネルギースタープログラム」の基準を満たすサーバは、フル稼働に近くなるほどエネルギー効率が向上する。他にも、使用していないサーバをシャットダウンしたり、アイドル時に電力消費量を抑える機能を活用したりする方法もある。サーバの統合や仮想化もエネルギー効率の向上につながる。
データセンターで「電力」と「冷却」を軸にして、エネルギー効率を高める装置や運用方法は下記の通りだ。
環境に配慮したデータセンターを作る際、再生可能エネルギーの使用も欠かせない。再生可能なエネルギー源として太陽光発電が注目を集めているが、太陽光発電だけでデータセンターに必要な電力を100%賄うのは容易ではない。大量のソーラーパネルの設置場所を確保することが難しい場所もあるからだ。そのため、太陽光発電に加え、水力発電や風力発電を取り入れ、多様なエネルギー源で電力を賄うのが解決策の一つになる。これは特に大規模なデータセンターの場合に有効だ。
ごみ埋め立て地のメタンガスを使用できる場所では、燃料電池による自家発電が可能だ。非化石燃料の使用が可能になる他、長距離送電による電気の損失をなくしたり、燃料電池が生成する熱を再利用したりできる。ただし、注意が必要な点もある。燃料電池は石油や石炭による発電と比べれば少量ではあるものの、ある程度の二酸化炭素を排出する。
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