コロナ禍を背景に、コンタクトセンターの管理者はエージェントにリモートで仕事を教える方法を習得しなければならなくなった。リモート研修を成功させるヒントを7つ紹介する。
前編「コンタクトセンターのテレワーク 課題は『従業員のマネジメント』」は、コンタクトセンターのスーパーバイザー(管理者)がリモートで働くコンタクトセンターエージェント(以下、リモートエージェント)とどのように関わるとよいかを紹介した。後編は、コンタクトセンターエージェントのリモート研修を成功に導くヒントを紹介する。
リモートエージェントの研修と指導にWeb会議ツールを使用する。これは1対1の会議にもチーム会議にもメリットがある。リモートエージェントは管理者の表情を見ながら業務で抱える問題やビジネスチャンスについて話し合える。
コラボレーションツールを使うことで、チームが共同作業する場を確立できる。例えば、研修に関わるヒントを共有したり、実施中のマーケティングキャンペーンやその保証条件、顧客情報など具体的なトピックをためておくリポジトリとして使ったりすることも可能だ。リモートエージェントと管理者で、1対1のテキストチャットに使うのもいい。
研修時は参加者全員が同じコンテンツを表示できるように、画面共有ツールを使って画面を共有するといいだろう。画面共有ツールは、管理者がリモートでエージェントをトレーニングする場合にも必要だ。
リモートエージェントと顧客とのやりとりを傍で聞くことはできないため、管理者はエージェント分析アプリケーションのデータを頼りにする場面が増える可能性がある。こうしたアプリケーションを使えば、エージェントと顧客の対話を録画・録音したデータ、人工知能(AI)技術を活用したパフォーマンス分析データなどを通して、重要業績評価指標(KPI)などのパフォーマンス要件をエージェントが満たしているかを確認できる。
クラウド型コンタクトセンターサービスを導入すると、コラボレーションツールとコンタクトセンターの仕組みを連携させる方法を簡素化できる。
ワークフォース最適化(WFO:Workforce Optimization)アプリケーションは、各チャネルのエージェントと顧客のコミュニケーションを分析したり、必要な人員数の予測をしたりする機能があり、コンタクトセンター全体のパフォーマンス管理に役立つ。WFOアプリケーションは、リモートエージェントのパフォーマンスや顧客とのコミュニケーションに関する洞察を管理者に提供する。管理者は、これらの情報を組み合わせて分析し、リモートエージェントに結果を共有する。現状を理解することでエージェントは、定期的なトレーニングを受け、カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上できるようになる。
管理者は、ミーティングの大半をエージェントへの指導と自分の意見の伝達に費やすことがある。しかし、エージェントの意見に耳を傾け、パフォーマンスの低下やその理由を把握した方がいい。エージェントがテレワークで苦労する問題に備えておく必要がある。
CXの責任者は、オンラインでの共同作業や会議を実現するIT製品やサービスの導入だけでなく、コンタクトセンターの管理者の指導も忘れてはならない。指導の際は、管理者とリモートエージェントとのやりとりに注目する。とはいえ、テレワークでのエージェント管理は管理者にとっても未経験のことで、訓練が必要だ。人事部門は管理者にマネジメント研修を実施し、以下のような疑問に対処することが望ましい。
コンタクトセンターの管理者がチェンジマネジメント(組織の業務変革を効率的に推進するマネジメント手法)、コラボレーションツールと分析データを組み合わせて適切なトレーニング戦略を立てれば、エージェントのリモートトレーニングが成功する可能性は上がるだろう。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
顧客や社内の問い合わせ窓口として導入が広がるチャットbot。その回答精度を高めるべく、昨今「生成AI」の活用が進んでいる。生成AI活用の「アリ・ナシ」の差を確認しながら、“賢い”チャットbotを構築するポイントを解説する。
店舗システムをはじめ、法人顧客向けに多彩なソリューションを提供する「パナソニック コネクト」。CXの高度化に向けた取り組みの一環として、CSMを使ったサービスデスク改革を実現している。同社の取り組みを詳しく紹介する。
エンタメ業界では、メディアとコマースを融合させ、新しい体験を提供する企業が増えている。この成功の鍵となるのが、ファンエンゲージメント戦略と、これを支えるプラットフォームだ。本資料では成功へと導くアプローチに迫る。
CXの質向上に向け多くの企業が取り組みを推進しているが、顧客の期待と現実の間にはまだまだギャップがあるのが実情のようだ。消費者調査とCXリーダー調査の結果から、ギャップを埋め、CX強化を実現するための戦略や施策や探る。
コンタクトセンター変革を支えるツールとして、コンタクトセンタープラットフォームの導入が加速している。市場には多様な製品が存在し、製品選定が課題となっている企業も少なくない。選定の際に重視したい5つのポイントを紹介する。
事例に学ぶAI導入 顧客とのコミュニケーションをどう変えるべきか (2025/6/26)
人手不足時代の救世主? AIコンタクトセンターの現実解とは (2025/5/21)
Google アナリティクス 4対応で明暗、他社にリードするためにGA4+AIを選ぶ理由 (2025/2/17)
AIと自動化でサービスデスクを改善、問い合わせ対応や変更管理はどう変わる? (2024/12/19)
ポイントで顧客の行動を変える 事業者も利用者もwin-winの試みとは (2024/8/7)
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...