オンラインファイル同期サービスの代表格である「OneDrive」「Dropbox」が、Appleの「macOS 12.3」β版で正常に動作しない問題が発生した。その背景には何があったのか。
AppleのクライアントOS「macOS 12.3」(macOS Monterey 12.3)のβ版で、オンラインファイル同期サービス「OneDrive」「Dropbox」が正常に動作しない問題が発生した。macOS 12.3のβ版テスターはOneDriveやDropboxを利用するに当たり、アプリケーションを起動したり、ファイルを開いたりすることができなかった。
Appleは同社の公式サイトで、OneDriveとDropboxが利用していたカーネル拡張機能が、macOS 12.3では利用できなくなったと説明した。同社は両サービスのベンダーであるMicrosoftやDropbox社と連携し、カーネル拡張機能の代替を用意する。
MicrosoftによるとmacOS版のOneDriveでは、同社のクラウドインフラに保管したファイルをデバイスで開くための機能「ファイルオンデマンド」の動作に関する問題が発生した。ファイルオンデマンドを利用するには、今回Appleが無効化したカーネル拡張機能が必要だったという。これを受けてMicrosoftとAppleは、OneDriveの利用体験を向上させるために、協力して仕組みの変更を図っている。
2021年12月にMicrosoftが公開したOneDriveのパブリックプレビューでは、ArmアーキテクチャのプロセッサおよびSoC(プロセッサなどシステムの構成要素を1つのシリコンチップに集約した製品)を搭載したデバイスでOneDriveを利用可能にした。これによりApple開発のSoC「Apple M1 Chip」(以下M1)を搭載したMacでも、OneDriveをネイティブ(デバイス内)で実行できるようになった。以前は実行にエミュレータ(模倣ソフトウェア)が必要だった。エンドユーザーからは、ネイティブ実行が可能になったことを歓迎する声が寄せられた。
Dropbox社は2022年中に、M1でDropboxを実行できるようにする計画だ。AppleはM1を同社のさまざまなデバイスに搭載する一方、他社製プロセッサを使わない方針を打ち出している。
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