データ駆動、データ主導が叫ばれて久しいが、60%の経営幹部はデータを信頼していない。経営にデータを生かすには、データ品質の向上が不可欠だ。その答えは2つある。
Talendの調査(2021年公開)では、データを常に信頼していると回答した経営幹部は40%にすぎなかった。これはデータ品質の確保にもっと協調的な文化が必要だとするペイノイト氏の主張を裏付けている。でも、どうすればよいのか。「データのライフサイクル全体を適切に管理するには、包括的なデータ管理アプローチを取る」こと。例えばデータオフィス機能を一元化することで、データの認識と理解を促進することをペイノイト氏は提案する。
「データ品質はチームスポーツだ。一人の個人や一つのチームが全体のデータを正しく管理するのは不可能だ」
ペイノイト氏が提案する答えの一つがセルフサービスだ。セルフサービスはデータ品質標準を広げる優れた方法になると同氏は言う。
「セルフサービスアプリケーションにより、誰でもデータセットにアクセスしてデータのクレンジング、標準化、変換、強化できるようになる。問題の検出と解決にビジネスコンテキストを持ち込むためにデータ品質にルールを設けたり、メタデータ管理に結び付けられる全体的なデータガバナンスを導入したりすることで、信頼の問題も解決できるかもしれない」
「機械学習を用いるインテリジェントな機能やワークフローは、品質管理(マスキングやアクセス管理など)を自動化して、データ品質をデータ主導の開発全体に広げるのに役立つ」
もう一つの答えは自動化だ。データセットが増加するにつれ、必然的に機械学習が重要になる。だが、機械学習が機能するにはデータセットにまとまりが必要だ。システムを見直さなければ、手作業のデータ入力や品質確認が残るのは避けられない。
「手動ジョブと自動ジョブについて検討することは重要だ。最高の結果を得るには両者をどのように混在させるのが最善かを考える」(マリア氏)
それは優れた質問だ。万能の解決策は存在しない。姿勢を変えること、何が問題なのかを知りたいという願望、データ主体の未来を築く方法が必要だ。
「膨大なデータを扱う大規模組織の場合、手作業の要求は極めて厳しく、データセットの不正確さや不完全さにつながる。取引の監視、クレームの調査、顧客確認プロセスなど、リソースを大量に必要とするタスクを自動化すれば、機械学習によって推定し、顧客データの360度ビューを生み出せる」(マリア氏)
データ主体の未来は、データ品質を確保する上でAIがますます重要な役割を担うようになるとみている。2021年12月のレポートによると、40%の企業がこの目的にAIを利用し、データガバナンスにAIを利用する企業も45%に上る。当然ながら、データ品質の問題や実際の意思決定に対してAIが特効薬になるわけではない。
データ基盤を一貫的かつ適切に確保し、複数の選択肢から意思決定を行うには、リーダーシップ、文化、コラボレーション、データリテラシー、経験など、それ以上のものが必要になる。
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