「PCIe Gen4」や「PCIe Gen5」のインタフェースが使われる中、キオクシアは「SAS」の新世代を採用したSSDを投入する。SAS接続ならではの利点が見込めるという。
フラッシュメモリベンダーのキオクシアは2022年3月、ストレージインタフェースに「24G SAS」(SAS-4、SAS:Serial Attached SCSI)を採用したSSD、「KIOXIA PM7」(PM7シリーズ)のサンプル出荷を開始した。他のインタフェースの採用も進む中で、SAS接続のSSDにはどのような利点が見込めるのだろうか。
「SASはレガシーなインタフェース規格だが、需要はまだまだ旺盛だ」と、ストレージ専門の調査会社TRENDFOCUSのバイスプレジデント、ドン・ジャネット氏は語る。キオクシアはSamsung Electronicsと並び、SAS市場の一角を占める大手だ。どのような狙いがあるのか。
SASは、SSDやHDDをコンピュータに接続するためのインタフェース規格「SCSI」(Small Computer System Interface)の後継だ。SCSIを策定する業界団体SCSI Trade Association(STA)によると、SASは2003年に登場して以来、規格が新しくなるたびにデータ転送速度が倍増している。SAS-4のデータ転送速度は最大24Gbps(実効速度は22.5Gbps)に達した。
「PCI express 4.0」(PCIe Gen4)や「PCI express 5.0」(PCIe Gen5)など他の高速インタフェースが使用される中でも、「SASは低価格でデータ転送速度が高速であるため、市場での存在感は引き続き強いままだ」とジャネット氏は話す。キオクシアのエンタープライズおよびクラウドストレージ担当シニアディレクターで、STAのプレジデントでもあるキャメロン・ブレット氏は、「SAS-4になることで、低遅延化が可能になる」と説明する。
キオクシアのPM7シリーズは、SAS-4を採用した同社のSSDとしては2代目となる。初代の「KIOXIA PM6」(PM6シリーズ)は2020年6月に発売した。キオクシアでSSDのプロダクトマネジャーを務めるスティーブ・ガーソー氏は、「PM7シリーズはPM6シリーズの機能を引き継いでいる。ファームウェアも同様で、わずかにマイナーチェンジした程度だ」と説明する。
PM7シリーズは、同社の3次元(3D)NAND型フラッシュメモリ「BiCS FLASH」の、112層に積層した第5世代を搭載する。記録方式には、1つのメモリセルに3bitを格納する「TLC」(トリプルレベルセル)を使用する。PM6シリーズは96層のNAND型フラッシュメモリを使用しているので、PM7シリーズは積層数をアップグレードした形だ。
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