メタバースを安全に活用する方法【第2回】
メタバースの「国境がない」ことがセキュリティの“大問題”になるのはなぜ?
現実空間で安全に生きるための“常識”があるように、仮想空間のメタバースでもセキュリティを向上させるためのこつがある。メタバースで痛い目に遭わないためには、何に気を付ければよいのか。
企業の間では、仮想現実(VR)技術や拡張現実(AR)技術を取り入れた「メタバース」(巨大仮想空間)を働き方改革に活用することを模索する動きがある。メタバースにはさまざまな可能性がある一方、セキュリティのリスクもあることを忘れてはならない。画面の中にある「もう一つの世界」であるメタバースを、どうすれば企業は安全に利用することができるのか。企業はメタバースを活用する際、下記のセキュリティ課題を考える必要がある。
1.“国境のない”プライバシー保護
併せて読みたいお薦め記事
連載:メタバースを安全に活用する方法
メタバースの「注意点」とは
ユーザー一人一人に合った没入体験を可能にするためには、メタバース運用企業はさまざまな個人情報を収集することが不可欠だ。一方でユーザーは、自分がメタバースに提供しているデータのセキュリティレベルについて把握しにくい。
概して仮想空間には国境がなく、欧州連合(EU)の「EU一般データ保護規則」(GDPR)といった地域ベースの規制が難しい。そのためプライバシーの保護は、メタバース運用企業が主体的に取り組まなければならない。
2.身元確認の難しさへの対処
メタバースでは攻撃者がアカウントに不正アクセスし、ユーザーの身元を詐称したり、アバター(仮想キャラクター)を乗っ取ったりするリスクがある。メタバースでユーザーが相手にしている人物は「誰」なのか、身元の確認が困難だ。
3.HMDの脆弱性対策
没入感を高めるヘッドマウントディスプレイ(HMD)には、攻撃に悪用される脆弱(ぜいじゃく)性が存在する可能性がある。攻撃者がHMDの脆弱性を突き、ユーザーになりすましてメタバースにログインできてしまうと、大きな被害につながる。
4.ユーザー間のコミュニケーションの管理
メタバースはユーザー間のコミュニケーションを促す場だ。コミュニケーションによる関係構築には、ユーザー同士の信頼が欠かせない。悪質なユーザーが1人いれば、大きな被害が発生する可能性がある。企業はメタバースに「司会者」を入れることによってコミュニケーションを管理し、不審者を特定できる。
5.データの正確性確保
商品の品質や評価、ユーザーの位置といった、メタバースにおける各要素の情報を信頼できるものにするには、データの正確性が重要だ。だがGPS(全地球測位システム)といった衛星測位システムによる位置測定には一定の誤差があるなど、正確性の確保にはさまざまなハードルがある。
6.ユーザー間トラブルの解決
メタバース運用企業には、ユーザー間で発生したトラブルの対処について、十分なノウハウが蓄積されているわけではない。そのためメタバースでのデジタル資産になる「NFT」(非代替性トークン)が盗まれたといったユーザー間のトラブルが発生したとき、ユーザーは解決法のアドバイスを受けられない場合がある。
第3回は、特にVR技術やAR技術に関する、メタバースのセキュリティ課題を紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[スパイスファクトリー株式会社] レガシーに消えるIT予算8割 「刷新か延命か」をAIと人で見極めるための手順 -
製品資料
[JetBrains s.r.o.] ソフトウェア開発は「コーディングエージェント」でどう変わるのか? -
事例
[テクバン株式会社] 太陽ホールディングスは国内外拠点の端末5000台をどう管理しているのか? -
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
2
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
3
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
-
4
PHP2Shellの「事前の情報流出」でパニックに パッチ公開を巡る“混乱劇”
-
5
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
6
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
7
京王電鉄・東京メトロの被害から学ぶ境界防衛 ITの侵害はどこまで波及するか
-
8
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
9
MS&ADグループの目指す「AX」の全貌 本山CDOが語る変革の本質
-
10
「データ活用とAI活用の実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
3
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
4
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
5
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
6
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
7
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
8
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー