エネルギー業界のデジタル化を推進する英タスクフォースは、エネルギーシステムのオープンソース化を提言している。その狙いとは。
英国でエネルギー分野のデジタル化を推進するタスクフォースEnergy Digitalisation Taskforce(EDiT)は、新たに発行したレポートにおいて、エネルギーシステムの刷新を図るための提言をした。例えばレポートは、エネルギーシステムにオープンソースソフトウェア(OSS)を使用する必要性について言及している。その意図はどこにあるのか。
レポートでEDiTは、エネルギー業界が「デジタルの脊椎」を構築することの重要性を訴えている。これは、エネルギー関連システムを1つのネットワークにつなぎ、エネルギーに関するデータをシステム間で容易かつ安全に共有できるようにする相互運用の仕組みを指す。
相互運用の仕組みを構築するためには何が必要なのか。まず、データファブリック(異なる場所に点在するデータを統合的に扱うアーキテクチャ)を構築し、データの標準化を進めることで、エネルギー業界におけるデータのサイロ(孤立した状態)化を解消する。「このような取り組みにより、データカタログ(データの目録)の構築や、最終的にはデジタルの脊椎の構築につながる」とEDiTは述べている。
レポートは、OSSとオープンスタンダード(相互運用性を確保するための標準仕様)を活用することで、従来とは根本的に異なるエネルギーシステムを構築できる可能性があると言及している。さまざまな利害関係者がシステムの利用や開発、保守ができるようにするには、相互運用の仕組みは閉ざされたものであってはいけない。「OSSやオープンスタンダードであれば、企業はデジタルの脊椎に自社サービスを容易に連携させ、顧客に新たな価値を提供することができる」(EDiT)
EDiTは英国政府に対し、公益事業におけるデジタル資産のガバナンスを定義するよう要請している。現状は公益事業に関わるさまざまな組織が、デジタル資産をそれぞれ独占して管理しているため、この状況を変える必要があるとEDiTは指摘する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
エンタープライズ向け技術は、Linuxを中核に据え、オープンソースで動作しているものが多い。しかし近年、一部のベンダーが契約による囲い込みを強めており、ベンダーロックインのリスクが高まっている。安定したLinux運用を実現するには?
ITサービスへの要求は年々増大しており、その対応を手作業でカバーするには限界がある。そこで導入されるのがITSMツールだが、特に自動化機能には注意が必要だ。自社に適した運用自動化や作業効率化を実現できるのか、しっかり吟味したい。
業務効率を高めて生産性を向上させるために、多くの企業がITシステムの導入を進めている。しかし、自社の業務に合わないITシステムを導入してしまっては、逆に生産性が低下する可能性も高い。この問題をどう解決すればよいのだろうか。
世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。
Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。