Meta PlatformsのAIチャットbot「BlenderBot 3」は、インターネットユーザーが生成するデータを機械学習に用いる。このことがBlenderBot 3の限界を定めているとの見方がある。どういうことなのか。
Meta Platforms(旧Facebook)が一般公開した「BlenderBot 3」が物議を醸している。BlenderBot 3は一般のインターネットユーザーのやりとりを通じて学習する、人工知能(AI)技術ベースのチャットbotだ。
BlenderBot 3には、不適切な言動があれば、エンドユーザーの“評価”(サムアップ、サムダウンの評価ボタン)によるフィードバックを受けて、同じ間違いを繰り返さないようにする仕組みがある。Meta Platformsは、BlenderBot 3とエンドユーザーとの会話を匿名化して収集し、システム改善に利用する。
インターネットに公開されたテキストや一般ユーザーとの対話を教師データとして使う試みは過去にもあった。MicrosoftのAIチャットbot「Tay」は、残念ながらうまくいかなかった。
「一般に公開されているデータに基づいて学習するAIチャットbotが、有害な情報を出力しても驚くには当たらない」。ノースイースタン大学(Northeastern University)で、「責任あるAI」(Responsible AI)に関する分野の教育カリキュラムを担当するマイク・ベネット氏はこう話す。
巨大ITベンダーは「経済的に合理性のある方法で、AIチャットbotを迅速かつ効率的にトレーニングしている」とベネット氏は指摘。「そうして生まれたAIチャットbotに対して『教師データの状況に沿った会話をする』こと以外に、何を期待すべきだというのか」と強調する。
第4回は、AIチャットbotの不適切な言動を防ぐために、企業がすべきことを探る。
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