「Azure Blob Storage」に公開設定ミス【後編】
「Azure Blob Storage」のデータ流出問題が“大げさではない”理由
「Azure Blob Storage」にデータ流出の可能性があることが発覚した。Microsoftは、SOCRadarがミスを指摘したことについて「問題を誇張している」と非難。一方セキュリティ関係者は、問題の深刻さを指摘する。
セキュリティ企業SOCRadarは2022年9月、Microsoftのオブジェクトストレージサービス「Azure Blob Storage」で顧客データが誤って公開されていることを指摘した。Microsoftは調査を実施し、偶発的な設定ミスにより同社の顧客データが不正アクセスを受ける可能性があることを確認した。
一方で、SOCRadarが2022年10月に公開したブログ記事の内容について、Microsoftは「大きな誇張がある」と批判している。しかし、セキュリティ関係者は問題の深刻さを指摘する。
Azure Blob Storageの設定ミスが“大げさ”ではなく“深刻”な理由
併せて読みたいお薦め記事
連載:「Azure Blob Storage」に公開設定ミス
過去に発生したデータ流出事件
SOCRadarは、組織が今回の問題の影響を受けているかどうかを確認できる検索ツール「BlueBleed」を公開した。これに対してMicrosoftは「顧客のプライバシーやセキュリティをリスクにさらす危険性がある」と批判。SOCRadarはツールの提供を一時停止した。
「BlueBleedが目指しているのは、個人情報が漏えいしているかどうかをチェックできるWebサイト『Have I Been Pwned』の企業版だ」とSOCRadarは説明する。組織は、SOCRadarが過去に検出したクラウドサービスからのデータ漏えい情報に、自社のデータが含まれているかどうかをBlueBleedで検索できる。
SOCRadarはBlueBleedの機能について、「出力したデータにドメイン名が含まれるかどうかを表示するのみで、それ以外の詳細については公表していない」と主張する。「SOCRadarのビジネスは、顧客のおかげで成り立っている。従って、顧客のプライバシーやセキュリティを危険にさらすような不必要なリスクを犯すことはない」(同社)
さらにSOCRadarは次のように付け加える。「組織の機密データを公開状態のバケット(データ保存領域)で管理する方がよっぽど大きな脅威だ」
プライバシー保護メディア運営企業「Pixel Privacy」のクリス・ホーク氏は、次のようにコメントする。「残念ながら、近年目にするデータ漏えいの多くは、クラウドサービス『Microsoft Azure』や『Amazon Web Services』(AWS)のバケット設定ミスが原因だ。設定に人間が関与する限り、今後も漏えいは起こり続けるだろう」
サイバーセキュリティ情報を扱うWebサイト「Comparitech」の編集者ポール・ビショフ氏は、次のようにコメントする。「Microsoftの顧客は、今回のデータ漏えいの影響を踏まえて、標的型フィッシングメールやテキストメッセージに注意する必要がある。公開されたデータの関係者に上級管理職が含まれていることを考えると、CEO詐欺やビジネスメール詐欺の格好の標的となる」
Microsoftは、誤って公開されたデータが実際に盗まれたとは明言していない。しかし、ビショフ氏は次のように話す。「Comparitechが実施したハニーポット(おとり)調査では、今回のような誤った設定のサーバは攻撃者に数時間以内に発見され、攻撃される可能性があることが分かっている」
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
6
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
7
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
10
ライオンが脱レガシーシステムのパートナーに「Google Cloud」を採用した理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー