非営利団体CyNamは、セキュリティ業界を目指す女子生徒を増やすためにキャリア形成支援イベントを開催している。どのようなイベントなのか。
英国では地域に根付いた形で、女子学習者のセキュリティ系キャリア進出を後押しする動きが進んでいる。セキュリティの非営利団体Cyber Cheltenham(通称CyNam)が2022年11月、女子学習者を対象としたキャリア形成支援イベント「EmPowerCyber 2022」を開催したのは、そうした動きの一つだ。
CyNamは、イングランド南西部グロスタシャー地域の企業や大学と手を組み、EmPowerCyber 2022を開催した。目的は、セキュリティ関連の仕事をしている人との交流を通じて、セカンダリースクール(中学校に相当)に通う女子学習者にセキュリティ分野の魅力を知ってもらうことだ。CyNamは“セキュリティ女子”を育てるために、イベントにどのような工夫をしていたのか。
「セキュリティ業界では人材不足が深刻化する一方、男性と女性の両方にとって豊富なキャリアの機会が生まれている」。CyNamのマデリン・ハワード代表は、こう語る。現状は男子学習者と比べ、セキュリティ業界を目指す女子学習者が「少ない」とハワード氏は指摘。CyNamはEmPowerCyber 2022の開催によって「セキュリティ業界は十分な給与を得ることができ、働き方を選択しやすい」ことを訴求し、このセキュリティ業界を目指す女子学習者を増やしたい考えだ。
企業としてEmPowerCyber 2022に参加したのは、スーパーマーケット経営のTesco、防衛や宇宙関連のシステム開発を手掛けるRaytheon Technologies、就職支援事業のCareers & Enterpriseなど。CyNamは、グロスタシャー地域を中心に約35校のセカンダリースクールから女子学習者をEmPowerCyber 2022に招き、ワークショップを通じてセキュリティの仕事はどのようなものかを知ってもらった。
若者がセキュリティ関連の仕事を避けている理由として、必要なスキルや具体的な仕事内容が十分に知られていないことが挙げられる。EmPowerCyber 2022では、CyNamは女子学習者にとってロールモデル(模範となる人)と直接話せる機会を設け、知識のギャップを埋めることに注力した。
後編は、教育機関やセキュリティ業界にとって、EmPowerCyber 2022開催の意義とは何なのかを考察する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバー攻撃の脅威から自社を守るには、従業員のセキュリティ教育を効率的・効果的に行い、一人一人の意識を向上させることが重要だ。その実践を“自動化”でサポートするサービスを取り上げ、機能や特徴を紹介する。
技術系キャリアを検討する女子生徒は増加傾向にあるものの、全体的に見た割合は十分ではない。IT分野が女子生徒から敬遠されてしまう理由とは。
オンライン教育の導入により、教育機関はさまざまな場所に存在する学習者の主体的な学習を促し、評価する必要に迫られた。その有力な手段となり得るデータ分析の取り組みを事例と共に紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機にオンライン教育が普及した。これに伴い、教育活動で収集するデータの分析や活用に教育機関が頭を悩ませている実態が浮き彫りになった。
学生や教職員など多様な立場の人が関わる大学で、誰もが満足するIT製品・サービスを導入するのは至難の業だ。テネシー大学の事例から5つのこつを紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。