ロシアのウクライナ侵攻が続く中、ロシア国内におけるPCの販売台数や主要ベンダーの売り上げは過去最悪レベルで低迷した。これを受け、ロシア国内の消費者にはある変化が見られたという。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、ロシア市場におけるPC販売台数や、HPやDell TechnologiesといったITベンダーの売り上げが低迷した。こうした中でロシアの消費者の行動に変化が生じている。
ロシアの大手IT製品販売会社Marvel-Distributionが公開したデータによると、2022年上半期(1月〜6月期)におけるロシア国内のPC販売台数は、前年同時期比20.3%減の118万台だった。ロシア市場でトップレベルの売り上げを誇っていたHPとDell TechnologiesのPC販売も落ち込んだ。
一方で、ロシアのPC市場ではロシアベンダー製品への積極的な切り替えが生じた。ロシアのPCベンダーAquariusの2022年上半期(1月〜6月期)のPC販売台数は、2021年の同時期から12%増加して6万1000台に上り、市場シェアの約5%を占めるまでに至った。
Marvel-Distributionの調査によると、ロシア国内ではパーツを購入してPCを自作することへの関心が消費者の間で生じている。背景には、消費者の購買力が下がり、節約意識が芽生えている状況がある。
経済状況が乱れる中で、ロシア国内のPCユーザーはできるだけ長く手持ちのPCを使い、それが使用不可になった場合にのみ新しいPCを購入しようとする傾向にある。直近で需要があるとみられるのは、ビデオカードやRAM(メインメモリ)、HDD、PCの筐体(きょうたい)、プロセッサなどだ。
ロシア国内においてPCをはじめとしたIT製品の売上高が落ち込んだのは、主要ユーザーであるIT系の技術者が動員令を受けて大挙して国を出たことが強く影響したと考えられる。ロシア政府と国防省は2022年3月に、IT系技術者の徴兵を一定の条件下で延期すると発表している。
米国財務省は、ロシアへのIT製品や技術の供給を制限していたが、2022年4月8日にこれを一部解除した。具体的には、ソフトウェアやサービス、機器、技術を、直接または他国経由でロシアに輸出および販売することが許可の対象となった。Marvel-Distributionのアナリストは、米国のITベンダーのロシアにおけるビジネスは部分的に再開すると予測する。
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