ランサムウェアに対抗できるバックアップ技術は?バックアップツールの将来動向【第2回】

ランサムウェア被害を受けた際のデータ復旧の要となるバックアップツール。今後注目される技術をベンダーに聞いた。

2023年01月24日 05時00分 公開
[Stephen PritchardTechTarget]

 バックアップツールは、企業がランサムウェア(身代金要求型マルウェア)被害を受けた際の、データ復旧の要となる。本稿は、バックアップツールのベンダー複数社の見方を基に、バックアップが今後どのように進化するのかを紹介する。

ランサムウェア対策に欠かせない「バックアップ技術」

 本番システムとバックアップを物理的に隔離したり、ネットワークで隔離したりする「エアギャップ」を設けることは、ランサムウェアからデータを保護する方法の一つだ。この方法を取り入れたバックアップには、かなりの労力と専門知識が求められる。

 エアギャップを設けるためにバックアップ用の記録媒体を本番システムから物理的に隔離させる場合、オフサイト(本番システムが稼働する場所とは別の場所)からデータを復旧させるには時間を要する。エアギャップを設けた場合でも、ランサムウェアがバックアップを感染させる可能性は残る。

 イミュータブル(変更不可)の機能を有するバックアップツールを導入することで、バックアップがランサムウェアに感染するリスクを低減できる。イミュータブルのデータやシステムのスナップショット(ある時点の複写)は、本番システムと同じ場所で運用することもできるため、復旧にかかる時間を短縮できる可能性がある。

 ストレージベンダーScalityの最高マーケティング責任者(CMO)を務めるポール・スペチアーレ氏は、「イミュータブルの機能を持つことが、企業向けバックアップツールにとって欠かせない要素になる」と予測する。

 スペチアーレ氏が一例として挙げるのが、Amazon Web Services(AWS)のクラウドストレージ「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)の機能「オブジェクトロック」だ。これはデータを変更不可能にするための機能で、バックアップツールが向かう方向を示した例だという。

 バックアップツールベンダーDruvaで最高技術エバンジェリストを務めるW・カーティス・プレストン氏は、「バックアップツールのベンダーは、人工知能(AI)技術にも期待を寄せている」と話す。AI技術でアプリケーションやユーザーの通常と異なる挙動を検知することで、防御を強化できる。継続的に更新されるAIモデルであれば、最新の脅威にも対処できる可能性が高まる。

 バックアップツールベンダーAcronis Internationalで製品および技術ポジショニング担当のシニアディレクターを務めるアレクサンドル・イヴァニュク氏は、ランサムウェアをリアルタイムで検知する機能や、バックアップとストレージの自動復旧機能に注目する。「企業の最高情報責任者(CIO)が求めているのは、特別な措置を講じなくてもバックアップの安全性が保たれている状態だ」(イヴァニュク氏)

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news131.jpg

メッシやベリンガム、ヴィルツも登場 アディダスが世界で展開する豪華過ぎるサッカー推しキャンペーンの中身
Adidasが夏のサッカーシーズンに向けて新キャンペーンを世界各地で展開する。デビッド・...

news058.jpg

Web広告施策に課題を感じている企業は9割以上――リンクアンドパートナーズ調査
企業のWeb広告施策を推進している担当者約500人を対象に、課題と今後の取り組みについて...

news183.jpg

TikTokマーケティングの最適解へ スパイスボックスが縦型動画クリエイター集団M2DKと業務提携
スパイスボックスが縦型動画クリエイター集団であるM2DKと業務提携。生活者に向けて訴求...