日々プレッシャーやストレスを受けるセキュリティ担当者の心理的な負担を軽減するには、どのような手段が有効なのか。企業はどのようなことに気を付ければいいのか。
セキュリティ担当者は、日々絶え間なくストレスにさらされている。IT業界のメンタルヘルス向上を目指して活動する非営利団体CyberMindz.orgは、セキュリティ担当者がサイバー脅威から受けるプレッシャーやストレスに対処するための方法を提供している。そのうちの幾つかを紹介しよう。
CyberMindz.orgは、ヨガや瞑想(めいそう)を組み合わせたメンタルヘルスのトレーニングプログラム「Integrative Restoration」(iRest)を提供する。同団体の創設者ピーター・コロネオス氏によると、このプログラムは米国の臨床心理学者リチャード・ミラー氏が兵士のために開発したもので、セキュリティ担当者に対しても有効だ。
メールセキュリティベンダーのMimecastでセールスエンジニアリング部門のマネジャーを務めるサンダー・ホフマン氏は、企業が自社のセキュリティ担当者に注意を向ける重要性を強調する。「セキュリティ担当者の需要は拡大しており、競争も激しい。しかし彼らが安心して働ける業務環境を確保できている企業はほとんどない」(ホフマン氏)
ホフマン氏は、セキュリティ担当者の心理的な負担を軽減するための企業の取り組み事例を紹介する。例えばある企業は、どの部門からも独立した相談役を置いた。これにより内部ではなく外部の人が、従業員の悩みやストレスに関する相談に乗る体制を整備した。Mimecastも、同社の従業員がいつでも社外の人に相談できる体制を整備しているという。
セキュリティ担当者が抱えるプレッシャーやストレスを解消する第一歩としてホフマン氏が提唱するのは、経営層が真剣に考え、それを起点に安全な職場の実現を目指すことだ。「最終的には、セキュリティ担当者が直面する状況や日々の課題を社会全体が認識する必要がある」と同氏は付け加える。「英国立サイバーセキュリティセンター(NCSC:National Cyber Security Centre)のような、国としてサイバーセキュリティ向上に取り組む組織が他国でも立ち上がり、世界がセキュリティ担当者の健康と安心に関心を寄せるようになってほしい」(同氏)
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
今や誰もが入手可能となったフィッシングツール。そこにAIの悪用が加わり、フィッシング攻撃はますます巧妙化している。本資料では、20億件以上のフィッシングトランザクションから、フィッシング攻撃の動向や防御方法を解説する。
セキュリティ対策チームの57%が人材不足の影響を受けているといわれる昨今、インシデントや脆弱性への対応の遅れが、多くの企業で問題視されている。その対策として有効なのが「自動化」だが、どのように採り入れればよいのだろうか。
年々増加する標的型攻撃メール。この対策として標的型攻撃メール訓練を実施している企業は多い。こうした訓練では一般に開封率で効果を測るが、実は開封率だけでは訓練の効果を十分に評価できない。評価となるポイントは報告率だ。
従業員の情報セキュリティ教育は、サイバー攻撃や人的ミスによる情報漏えいから自社を守るためにも必要不可欠な取り組みだ。新入社員の教育を想定し、伝えるべき内容や伝える際のポイントを解説する。
2024年の情報漏えい事故の傾向では、攻撃者による大規模攻撃の他、社員や業務委託先のミス・内部犯行によるケースも多く見られた。インシデント別の要因と対策とともに、今後特に重要になるセキュリティ意識向上のポイントを解説する。
数分でデータを人質に 進化するランサムウェアに有効な「第2世代EDR」とは (2025/3/4)
クラウドサービスの脆弱性をどう解消する? 安全な開発環境を構築するヒント (2025/3/4)
「複雑、高額、難しい」を変える中堅・中小向けSASEのメリットを解説 (2025/2/10)
「Box」に移行してもなくならない「お守り仕事」を根本から効率化するには? (2025/1/23)
これからのセキュリティ対策に必要な「防御側の優位性」、AIはどう実現する? (2025/1/22)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。