「Windows 10」から「Windows 11」へのアップグレード時にWindowsライセンスの見直しを進めることは、コスト削減に有効だ。DaaSの「Windows 365」を含めて、Windowsを利用するためのライセンスの選択肢を探る。
MicrosoftのクライアントOS「Windows」を利用していると、どこかのタイミングでアップグレードを経験することになる。コスト抑制のためにライセンスの見直しを進めたいのであれば、アップグレードはその好機だ。「Windows 10」から「Windows 11」へのアップグレードに伴ってWindowsのライセンスを見直す場合、幾つかの選択肢がある。
クライアントデバイスの多様化を進めているユーザー企業にとっては、Windows 11への移行のタイミングで、MicrosoftのDaaS(Desktop as a Service)である「Windows 365 Cloud PC」(Windows 365)の契約を検討する価値がある。Windows 365は、Windows 10またはWindows 11を搭載した仮想PCである「Cloud PC」(クラウドPC)を、インターネット経由で利用可能にする。Windows 365を利用すると、エンドユーザーはPCに加えて、スマートフォンやタブレット、Appleのクライアントデバイス「Mac」などでもWindowsを利用できるようになる。
中堅・中小企業向けエディション「Windows 365 Business」の場合、ユーザー企業は別途Windowsのライセンスを契約することなく、クラウドPCを利用できる。一般企業向けWindowsエディション「Windows 10 Pro」または「Windows 11 Pro」のライセンスを持つユーザー企業の場合、Windows 365 Businessの利用料金を割り引く「Windowsハイブリッド特典」を利用可能だ。
Windows 365 Businessは、最エントリープラン「Basic」、普及プラン「Standard」、最上位プラン「Premium」の3種類のプランをそろえる。Basicは、仮想CPU2基、メモリ4GB、ストレージ128GBのクラウドPCで1ユーザー当たり月額31ドル(国内の税別料金は4840円、以下同じ)。Premiumは、仮想CPU4基、メモリ16GB、ストレージ128GBのクラウドPCで1ユーザー当たり月額66ドル(1万310円)。
最大300ユーザーといったエンドユーザー数制限をはじめ、Windows 365 Businessにはさまざまな制限がある。こうした制限を受け入れられない場合は、エンドユーザー数無制限の大企業向けプラン「Windows 365 Enterprise」が選択肢になり得る。
当然ながら、ユーザー企業はWindows単体のライセンスを契約できる。Windowsのライセンス料金は1ユーザー当たり150ドル以上、Windowsとオフィススイート「Microsoft Office」を組み合わせたライセンス料金は1ユーザー当たり280ドル以上となることが一般的だ。
契約ライセンス数に応じたボリュームディスカウントが発生する場合があるなど、Windowsの具体的なライセンス料金は契約内容に依存する。ユーザー企業はMicrosoftもしくはパートナーに連絡し、自社特有の状況やニーズに合わせた実際のライセンス料金を確認することが大切だ。
次回はWindowsのTCO(総所有コスト)を見積もる際に、検討すべき項目を紹介する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。
代理店にもAIにも「丸投げ」はダメ 成果報酬型マーケティングを成功させるポイントは?
「成果報酬型マーケティング」を実現する上でインターネット広告業界が直面する課題とは...
YouTubeやTikTokの利用時間、20代以下ではテレビを圧倒 どれだけ差がついた?
YouTubeやTikTokでのコンテンツ視聴は購買行動に関係しているのか。PRIZMAが10代から30代...