VMware HorizonとCitrix Virtual Apps and Desktopsを“仕組み”で比べるVMwareとCitrixの「デスクトップ仮想化製品」を比較する【後編】

「VMware Horizon」と「Citrix Virtual Apps and Desktops」は、どちらも広く使われているデスクトップ仮想化製品だ。両製品の機能を比較する際に確認するとよいポイントを説明する。

2023年06月27日 08時15分 公開
[Chris TwiestTechTarget]

 大手仮想化ベンダーのVMwareとCitrix Systems(以下、Citrix)は、それぞれデスクトップ仮想化製品として「VMware Horizon」「Citrix Virtual Apps and Desktops」を提供している。それぞれに長所と短所が存在する。適切な製品を選ぶには、どのようなポイントを意識して比較すればよいのか。

「機能」を確認する

 VMware Horizonは仮想デスクトップイメージの配信方法として「フルクローン」と「インスタントクローン」の2通りを用意している。どちらもエンドユーザーの人数分の仮想デスクトップイメージを作成して配信する方法だ。フルクローンは、エンドユーザーごとに専用の仮想デスクトップイメージを作成する。インスタントクローンは複数のエンドユーザーで仮想デスクトップイメージを共有し、エンドユーザーごとの設定やデータを差分で保持する。

 Citrix Virtual Apps and Desktopsの場合、各エンドユーザー分の仮想デスクトップイメージを作成して配信する仕組みとして「Machine Creation Services」(MCS)を用意する。その他、1つの仮想デスクトップイメージを複数のエンドユーザーに配信する「Provisioning Services」(PVS)が利用可能だ。

 VMware HorizonとCitrix Virtual Apps and Desktopsは共に、アプリケーションの管理とエンドユーザーへの配信のためのアプリケーション仮想化機能を備える。VMware Horizonでは、アプリケーション仮想化機能として「App Volumes」を利用できる。Citrix Virtual Apps and Desktopsでは「Citrix App Layering」を利用可能だ。

 オンプレミスのサーバを使用しているユーザー企業は、複数のサーバ群を管理できるサーバ管理ツールが必要な場合がある。VMwareはこうしたサーバ管理ツールとして「vCenter Server」を用意する。vSphereには、Veeam Softwareなどサードパーティーのバックアップツールが充実している。


 VMware HorizonとCitrix Virtual Apps and Desktopsはどちらも、仮想デスクトップを実行するために必要な機能を搭載する。大抵のユーザー企業にとっては、技術的な特徴や機能よりも、自社のIT担当者が各製品に関して所持する知識やスキルの豊富さ、ライセンス料金の安さが、比較するときに重要な要素になると考えられる。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news006.jpg

「TikTok禁止」は結局、誰得? どうするトランプ氏――2025年のSNS大予測(TikTok編)
米国での存続を巡る議論が続く一方で、アプリ内ショッピングやAI機能の拡大など、TikTok...

news202.jpg

ネットの口コミを参考に8割超が商品を購入 最も参考にした口コミの掲載先は?
ホットリンクは、口コミ投稿の経験や購買への影響を調査した結果を発表した。

news071.jpg

「生成AIの普及でSEOはオワコン」説は本当か?
生成AIの普及によりSEOが「オワコン」化するという言説を頻繁に耳にするようになりました...