優秀な人材を獲得するためにはハイスペックなPCを用意することが欠かせないという考え方があるが、企業はこの神話を安易に信じるべきではない。その理由を説明する。
PCの買い替えを検討するユーザーへ売り込みをする際、PC業界はしばしば次のような神話を引き合いに出す。「優秀な人材を引き付けるためには、ハイスペックのPCを提供する必要がある」というものだ。果たしてこれは正しいと言えるのか。
最新のPCは機能もデザインも洗練されているが、目を疑うような価格だ。一方、景気に目を向けてみると、電気料金が値上がりしている他、待遇改善を訴える看護師がストライキを起こすなど、経済的に厳しい状況が続いている。
このような背景を踏まえると、「優秀な人材の確保や定着に役立つから」という理由だけでPCの買い替えを正当化する傾向は、見直す必要がある。最新のPCを手渡された瞬間は誰でも高揚感を覚えるが、仕事で使ううちにその熱は冷めてしまう。
ほとんどの企業にとってPCはアプリケーションを利用するための端末に過ぎない。企業はPCに搭載するアプリケーションやストレージをセキュリティなどの理由によって最小限に抑える傾向にあり、必ずしも高スペックのPCを必要としていない。必要最小限のスペックと機能を備えた「シンクライアント」の端末を選ぶ企業もある。
ハイブリッドワーク(オフィスワークとテレワークの組み合わせ)制度を採用する企業にとって、アフターコロナ時代はPC利用に異なるアプローチを取り入れる絶好の機会だと言える。PCを買い替えるのではなく、クラウドサービス型の「仮想デスクトップ」を利用することが理にかなった選択になる可能性がある。
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