東南アジアの銀行大手DBS Bankは、内製したポータルサイトを用いて開発の生産性向上を図る。このポータルサイトは、具体的にどのような機能を持つのか。
シンガポールに拠点を構える東南アジアの銀行大手DBS Bankは、技術を駆使する先進的な銀行だ。同行は技術を用いたビジネス革新に取り組み、システムの運用方法を絶えず見直して業務自動化を進め、経営資源や人材を最適化している。
DBS Bankの開発者やエンジニアは2018年以来、同行のDevOpsチームが開発したサービスポータルサイト「DBS Technology Marketplace」を用いて、システム開発の生産性向上を図る。このポータルサイトは、具体的にどのような機能を持つのか。
開発者はDBS Technology Marketplaceを使用して、コンピューティングやストレージ、ネットワーク、仮想マシン(VM)などのインフラや、データベース、ミドルウェア、ビッグデータ分析、セキュリティなどの自動プロビジョニングができる。これらの稼働状況は1画面にまとめたダッシュボードで視覚化可能で、ユーザーは稼働状況や運用状況を一度に把握できる。これにより、システムの透明性確保につながる。
DBS Technology Marketplaceは年々進化を遂げている。初代のDBS Technology Marketplaceは、サーバの自動構築サービスを含むIaaS(Infrastructure as a Service)を提供していた。2020年に提供を開始した「DBS Technology Marketplace 2.0」は、運用管理自動化といったPaaS(Platform as a Service)機能を持つ。これは、アプリケーションの開発や実行に必要なインフラや技術を利用しやすくして、開発プロセスを簡素化するミドルウェアに当たる。
2022年から提供している「DBS Technology Marketplace 3.0」は、XaaS(Everything as a Service)機能を持つ。これはソフトウェアなどさまざまな機能をネットワーク経由で提供するサービスだ。DBS Bankのアプリケーション開発チームは、クラウドネイティブアプリケーション(クラウドサービスで運用することを想定したアプリケーション)を導入する際の工数を削減できるようになった。
中編以降は、DBS Technology Marketplaceの機能や効果の詳細を紹介する。
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