クラウドサービスの利用を優先する企業であれば、MDMやEMM、UEMなどのエンドポイント管理ツールを選ぶ際にもクラウドサービス型が有力な選択肢になりやすい。どのような手順で導入すればよいのか。
モバイルデバイスなどのエンドポイントを管理するには、「モバイルデバイス管理」(MDM)ツール、「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)ツール、「統合エンドポイント管理」(UEM)ツールの活用が欠かせない。昨今、クラウドサービスの利用が拡大する中では、オンプレミスではなくクラウドサービスのエンドポイント管理ツールを使うことが視野に入る。企業はMDMやEMM、UEMのクラウドサービス型のツールを導入する際、どのような手順を踏めばよいのか。
クラウドサービス型のエンドポイント管理ツールを導入する最初のステップは、エンドポイントによる使用リソースの調査だ。IT部門は、エンドユーザーがどのアプリケーションやファイル、サーバといったリソースを使用しているのかを調査し、リストアップする必要がある。
調査したリソースがどこにあるかは、自社がエンドポイント管理ツールのクラウドサービス型を選択すべきか、オンプレミス型を選択すべきかの判断材料になる。社内のデータベースやサーバに接続する社内用アプリケーションを使用する企業では、オンプレミス型を導入する方が望ましい。導入計画の段階で、それらのリソースにモバイルデバイスでアクセスする頻度やアクセスの可否を調べるとよい。それによってリソースの優先度が分かり、クラウドサービス型とオンプレミス型のどちらがより適切なのかが明らかになる。
次は、エンドポイントに関するポリシーを設計し、テストする段階だ。計画段階で得られた知見を基に、エンドポイントからアクセスする必要があるリソースを登録する。テスト段階において、IT部門はエンドポイントが利用するアプリケーションリストを作成しなければならない。そのためにはエンドポイントの利用状況を調査することになるため、IT部門は事前にテストユーザーに知らせておくとよい。アプリケーションリストを作成することで、IT部門は計画段階で見落としていた可能性があるアプリケーションを特定しやすくなる。テスト段階でユーザーアンケートを実施して、ユーザー体験に関するフィードバックを得ることも効果的だ。
ポリシーの調整とテストを実施した後、企業が従うべき規制とプライバシーポリシーに準拠したプライバシー設定を、MDMやEMM、UEMなどのエンドポイント管理ツールに適用する必要がある。設定すべき内容は企業によって異なり、ユーザーグループごとのポリシーが必要になる場合もある。その後、エンドポイント管理ツールの導入に進む。
オンプレミス型をクラウドサービス型に切り替える場合、同じベンダーのツールままであっても、それぞれのエンドポイント管理ツールにエンドポイントを再登録する必要がある場合がある。この作業には、移行支援ツールを活用可能だ。
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