エンドポイント管理には、「MDM」「EMM」「UEM」などのツールを利用できる。企業のITチームはこれらのツールの違いを理解して、エンドユーザーのデバイスを適切に管理する必要がある。各ツールの違いとは。
「エンドポイント管理」のベンダーは、さまざまな機能をツールに組み込んできた。分類すると、以下のツールが市場に存在する。
まずMDMツールが市場に登場し、その後にEMMツールが誕生した。昨今はそれだけでなく、UEMツールをエンドポイント管理のために好んで使用する企業もある。
エンドポイント管理ツールの進化の原動力は、ベンダーが掲げる「より包括的な管理を提供する」という目標だ。各ツールは時を経るに従ってより細かいレベルの管理方法を提供するようになっている。まず理解しておくべき基本は、MDMツールにある。
MDMツールは、モバイルデバイスにおけるメールの設定や、セキュリティ制御のための管理方法を、企業のITチームに提供する。MDMツールが登場する以前、ITチームはモバイルデバイスの管理とセキュリティの制御に苦慮していた。
問題の一つは、ほとんどのエンドユーザーが、グループポリシー(一元管理の機能)で制御された設定を持つ、ドメイン(特定のグループ)に参加したPCで作業していたことだった。グループポリシーの設定は、OS「Windows」搭載のデバイスがドメインに参加した場合にしか適用できず、組織の利用環境に入ってくるモバイルデバイスを保護できないことが一般的だった。
ネットワークのセキュリティ管理においては、組織の無線LANに接続しているとき以外は、モバイルデバイスを保護できないという問題があった。当時のエンドポイント管理ツールでエンドポイントを管理するには、対象のエンドポイントを組織のネットワークに接続する必要があった。
MDMツールは、こうした問題を解決した。MDMツールを利用すれば、ITチームはモバイルデバイスが組織のネットワークに接続するまで待つ必要がなくなった。通常のインターネット接続を介して、モバイルデバイスを管理できるようになったからだ。
第2回は、MDMツールのメリットに加えて、何が課題になったのかをまとめる。
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