セキュリティの「KPI」を設定した後は、いかにそれを達成するかが重要になる。セキュリティ強化の鍵を握るのは、目標達成に向けた取り組みを継続することだ。そのための要点をまとめた。
セキュリティを強化したいと考えているユーザー企業は、まずセキュリティの「KPI」(重要業績評価指標)を決めるとよい。受けた攻撃の件数やインシデントへの対処時間、パッチ(修正プログラム)適用に要した時間などを測定することで、セキュリティ体制の現状を把握し、改善策を検討できるようになる。KPIを定めた後は、その目標をどうすれば達成できるのかを検討する必要がある。セキュリティのKPIを達成するための「3つの方法」を紹介する。
セキュリティのKPIが決まったら、それで安心してはいけない。いかにそれを達成するかが肝心だ。従業員の個々の業績に関するKPIと同様、セキュリティのKPIも担当者が責任を持って管理しなければならない。セキュリティKPI管理の3大ポイントは次の通り。
セキュリティのKPIを巡って盲点になりがちなのが、指標の設定ではなく、指標に基づいた「目標」の設定だ。「攻撃件数を何パーセント減らしたい」「パッチ適用の時間を何パーセント短縮したい」といった具体的な目標を設定し、どの程度達成できているのか、進捗(しんちょく)をきめ細かに確認しよう。目標設定のポイントになるのは、自社のセキュリティ体制を考え、あくまで実行可能な目標を設定することだ。
KPIの進捗状況を把握するために時間をかけてさまざまなデータを探さなければならないのであれば、あまり長続きしない恐れがある。セキュリティ担当がまず取り組むべきなのは、KPIの進捗状況を一目で分かるダッシュボードの作成だ。ダッシュボードは経営陣や他の部署にも共有できるので、全社的にセキュリティの重要性の理解につながる可能性がある。
セキュリティのKPIは一度決めた後でも、必要に応じて変更して問題ない。むしろ、常にセキュリティ動向を見ながら、必要に応じて迅速にKPIを変更する方が、防御力の向上につながる可能性がある。ビジネスが変われば、セキュリティ要件とそれを満たすために必要なツールやプロセスなども変わる。一度決めたKPIにこだわり過ぎず「今、何をすべきか」を考えてセキュリティ体制を改善するのが望ましい。
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