NetAppがブロックストレージで攻勢 “オールSSDの常識”に挑む新モデルとは?ストレージのランサムウェア対策機能も拡張

ストレージベンダーのNetAppは、ブロックストレージの製品群に新たなモデルや機能を追加した。運用しやすさやコスト効率を重視した3つの新モデルを追加する他、ランサムウェア対策機能を拡充する。

2025年02月17日 07時00分 公開
[TechTargetジャパン]

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 ストレージベンダーのNetAppは、新たな注力分野の一つに定める「ブロックストレージ」で新モデルや機能を拡充することを発表。ブロックストレージの3モデルを新たに提供する他、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)からのデータ保護を目的にした機能とサービスを拡充する。

NetAppがブロックストレージ3モデルを追加 ランサムウェア対策も

 NetAppの日本法人であるネットアップによれば、企業は社内で保有するデータを基にしたAI(人工知能)技術活用が求められている一方、ブロックストレージに関しては以下のような課題を抱えている。

  • 性能と容量の拡張性に限界がある
  • 運用管理が複雑である上、運用管理者が足りない
  • 引き続きランサムウェアに狙われている

 ブロックストレージの製品ラインアップを強化するに当たり、NetAppは直感的な操作で運用管理ができるユーザーインタフェースや、IOPS(1分当たりのデータの入出力回数)の性能や容量を強化するためのスケールアウトのしやすさ、コスト効率などを重視しているという。

 今回NetAppは、SAN(ストレージエリアネットワーク)向けのオールフラッシュ(SSDのみ)ストレージ「NetApp ASA Aシリーズ」(ASA:All Flash SAN Array)に、「ASA A20」「ASA A30」「ASA A50」の3モデルを追加した。

  • ASA A20
    • クラスタ当たりの最大実効容量は19PB
    • IOPS性能は、前モデルのASA A150と比較して最大72%向上
  • ASA A30
    • クラスタ当たりの最大実効容量は29PB
    • IOPS性能は、前モデルのASA A250と比較して最大109%向上
  • ASA A50
    • クラスタ当たりの最大実効容量は48PB
    • IOPS性能は、前モデルのASA A400と比較して最大171%向上

 ネットアップのチーフテクノロジーエバンジェリストを務める神原豊彦氏は、ブロックストレージの技術者が不足している中で、構成やアップグレードの作業をGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)で直感的に実施できるシンプルさをASA Aシリーズの特徴の一つとして挙げる。価格に関しては、「オールフラッシュのブロックストレージとしてはエントリーモデルで5万ドル以上が常識的になっている中で、ASA A20は最小構成で2万5000ドルからを実現している」と神原氏は強調する。

ランサムウェア対策も強化

 NetAppは、ランサムウェア対策に関してはファイルストレージに提供してきた「自律型ランサムウェア対策」(ARP:Autonomous Ransomware Protection)の機能を、ブロックストレージにも提供することを発表。2025年後半からの提供を計画している。ARPは、AI(人工知能)エンジンがランサムウェア攻撃の兆候を検出し、データ保護の対策を自動的に発動させるもので、同社のストレージOS「ONTAP」の機能として搭載されている。

 ARPの対象をブロックストレージにも拡張することに加えて、NetAppはARPでランサムウェア攻撃を検出できなかった場合に、NetAppが復旧作業を無償で支援する「ランサムウェア検出プログラム」を新たに提供することも発表した。

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