ストレージベンダーのNetAppは、ブロックストレージの製品群に新たなモデルや機能を追加した。運用しやすさやコスト効率を重視した3つの新モデルを追加する他、ランサムウェア対策機能を拡充する。
ストレージベンダーのNetAppは、新たな注力分野の一つに定める「ブロックストレージ」で新モデルや機能を拡充することを発表。ブロックストレージの3モデルを新たに提供する他、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)からのデータ保護を目的にした機能とサービスを拡充する。
NetAppの日本法人であるネットアップによれば、企業は社内で保有するデータを基にしたAI(人工知能)技術活用が求められている一方、ブロックストレージに関しては以下のような課題を抱えている。
ブロックストレージの製品ラインアップを強化するに当たり、NetAppは直感的な操作で運用管理ができるユーザーインタフェースや、IOPS(1分当たりのデータの入出力回数)の性能や容量を強化するためのスケールアウトのしやすさ、コスト効率などを重視しているという。
今回NetAppは、SAN(ストレージエリアネットワーク)向けのオールフラッシュ(SSDのみ)ストレージ「NetApp ASA Aシリーズ」(ASA:All Flash SAN Array)に、「ASA A20」「ASA A30」「ASA A50」の3モデルを追加した。
ネットアップのチーフテクノロジーエバンジェリストを務める神原豊彦氏は、ブロックストレージの技術者が不足している中で、構成やアップグレードの作業をGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)で直感的に実施できるシンプルさをASA Aシリーズの特徴の一つとして挙げる。価格に関しては、「オールフラッシュのブロックストレージとしてはエントリーモデルで5万ドル以上が常識的になっている中で、ASA A20は最小構成で2万5000ドルからを実現している」と神原氏は強調する。
NetAppは、ランサムウェア対策に関してはファイルストレージに提供してきた「自律型ランサムウェア対策」(ARP:Autonomous Ransomware Protection)の機能を、ブロックストレージにも提供することを発表。2025年後半からの提供を計画している。ARPは、AI(人工知能)エンジンがランサムウェア攻撃の兆候を検出し、データ保護の対策を自動的に発動させるもので、同社のストレージOS「ONTAP」の機能として搭載されている。
ARPの対象をブロックストレージにも拡張することに加えて、NetAppはARPでランサムウェア攻撃を検出できなかった場合に、NetAppが復旧作業を無償で支援する「ランサムウェア検出プログラム」を新たに提供することも発表した。
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