ネットワークのパフォーマンスやセキュリティの問題を特定するには、ネットワーク監視システムの導入が効果的だ。どのように構築すればいいのか。6つのポイントに分けて解説する。
ネットワーク監視システムは、ネットワークやネットワークに接続されたデバイスに関する情報を収集して分析する仕組みだ。企業はネットワーク監視システムによって、ネットワークが正常に動作しているかどうかを把握でき、問題があれば迅速に対策を講じられる。ネットワークへのアクセスを制御して不正アクセスのリスクを減らすことも可能だ。ネットワーク監視システムはどうやって構築できるのか。「6つのポイント」に沿ってその具体的な方法を紹介する。
ネットワーク監視システムは、製品としてベンダーから導入することもできる。だが、自社のユースケースに合ったネットワーク監視を実現したい場合は、自社で構築することも有力な選択肢の一つとなる。ネットワーク監視システムの自社構築がもたらすメリットを以下にまとめた。
それでは、ネットワーク監視システムを自社で構築する際のステップや注意点を見てみよう。
ネットワーク監視システムを構築する前に、パフォーマンスや動作、主な機能などの要件を明確にしておくことが重要だ。要件を踏まえて開発の優先順位を決めることで、開発を円滑に進められる可能性がある。
ネットワーク監視システムを新たに開発する場合、使用するプログラミング言語を選ぶ必要がある。一からのコーディングする手間を減らしたいのであれば、オープンソースのパッケージを利用する選択肢がある。その場合、パッケージのライセンス条件をよく確認することが大切だ。オープンソースのパッケージは、最終的にそれを利用しなくても、ネットワーク監視システムの構築方法に関するさまざまなヒントが得られる場合がある。
ネットワーク監視システムの構築に人工知能(AI)技術を取り入れれば、さまざまな作業の自動化を図れる。AI技術を使ってネットワーク監視システムのフレームワークを作成することも可能だ。
AI技術を利用する際のポイントは、まず、AI技術で「何を作りたいか」を明確に決めることだ。次に、AIツールにネットワーク監視システムのサンプルコードを提供し、「どのようなものを、どのように作ってほしいか」を具体的に示す必要がある。
AIツールにセキュリティリスクを特定するためのトレーニングを実施している場合、企業はAIツールを使ってネットワーク監視システムのコードにあるセキュリティ問題を調査することもできる。セキュリティ問題の大半はコードベースの初期段階で発生し、特定が遅ければ遅いほど修正が難しくなるため、問題の早期発見は重要だ。
企業はネットワーク監視システムを構築する際、命名規約などのコーディング標準に従おう。すでにアプリケーション開発のためのガイドラインを持っている場合、それをできるだけ利用するとよい。ガイドラインを持っていない場合は、ネットワーク監視システムの構築を機にガイドライン作成を始めよう。コーディング標準を決めることで、開発メンバー間でコードの書き方やルールが統一され、チームでの共同作業やレビューがスムーズになる。ネットワーク監視システムを構築した後は、仕様変更や修正内容などの変更点をきちんと管理することが重要だ。
ネットワーク監視システムを設計する場合は、プロセス全体を通じて適切な設計原則に従わなければならない。一からネットワーク監視システムを構築する場合は、システムを機能ごとのコンポーネント(システムの構成部分)に分け、それらをクラスタとしてまとめつつ、共有データベースを利用して連携させるといった設計になる。その際、ネットワーク監視システムの各コンポーネントが連携するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を設計する必要がある。APIを設計する段階では、将来、ネットワーク監視システムに追加される可能性がある機能も考慮しておくことが重要だ。
ネットワーク監視システムを構築する際には、セキュリティ対策も欠かせない。ネットワーク監視システムを本番環境にデプロイする前、企業はテスト環境において脆弱(ぜいじゃく)性がないかどうかのチェック(セキュリティチェック)を実施し、セキュリティに問題がないことを確認する必要がある。そこで見つかった問題は、速やかに修正することが重要だ。
後編は、ネットワーク監視システムをベンダーから購入するシナリオを考える。
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