Column
企業倫理担当役員を採用すべき3つの理由
一度スキャンダルを起こせば企業イメージの回復は非常に困難だ。そうしたリスクを避けるために、倫理担当役員を採用するというのも1つの方策だ。
粉飾決算事件で元CEOが実刑判決を受けたワールドコムは、事件後に評判を取り戻そうと倫理担当役員の採用に踏み切り、苦労の末危機を脱した。
倫理担当役員であれば、会社の経営目標、企業文化、コンプライアンスの取り組み、そして規制と倫理をめぐる広範な問題に関するリポートを統合できる。また倫理担当役員であれば、ビジネス手法を会社のビジョンと調和させ、企業価値と企業メッセージを高め、それをはっきりと示すことができる。ここ数年、倫理担当役員を採用することの意義を認識する企業が増えている。マサチューセッツ州ベルモントの米国企業倫理担当役員協会(Ethics Officer Association)によると、2001年には600人程度だった会員数が、今では1200人以上に増えているという。
ここでは、企業が倫理担当役員の採用を検討すべき理由を3つ挙げておく。
スキャンダルや各種の規制、低調な世論など、今日の企業を取り巻く環境において、顧客の信頼と前向きな企業イメージを維持し続けるのは容易なことではない。企業がこうした荒海を乗り越えるための方法の1つに、倫理担当役員を採用するというものがある。
倫理担当役員であれば、会社の経営目標、企業文化、コンプライアンスの取り組み、そして規制と倫理をめぐる広範な問題に関するリポートを統合できる。また倫理担当役員であれば、ビジネス手法を会社のビジョンと調和させ、企業価値と企業メッセージを高め、それをはっきりと示すことができる。ここ数年、倫理担当役員を採用することの意義を認識する企業が増えている。マサチューセッツ州ベルモントの米国企業倫理担当役員協会(Ethics Officer Association)によると、2001年には600人程度だった会員数が、今では1200人以上に増えているという。
企業が対処すべき倫理問題はここ数年、複雑さを増す一方だ。そうしたなか、倫理担当役員であれば、企業自らが推進するポリシーやガイドライン、および倫理規定に企業を確実に従わせることができる。従業員や顧客に対して唱えていることを守らない企業ほど、ひどいものはない。また倫理担当役員は、社内のさまざまなレベルの従業員が困難な状況において正しい選択を下せるよう支援するという役割も果たす。学校でも、それまで勤めていた職場でも倫理教育を受けたことのない従業員にとって、これは有用となるだろう。この点は、ITセキュリティスタッフについては特にあてはまるはずだ。彼らには、機密情報にアクセスできる立場だけでなく、それを保護する責任があるからだ。
以下に、企業が倫理担当役員の採用を検討すべき理由を3つ挙げておく。
1.規制への遵守を支援する
倫理担当役員は企業の経営陣と協力して、サーベンス・オクスリー法(SOX法)などの規制の確実な遵守に当たれる。プライスウオーターハウスクーパースが企業幹部を対象に行った調査によれば、企業のコンプライアンスコストは全体の54%をSOXが占めている(2005年の企業のコンプライアンスコストは全体で60億ドル以上となっている)。倫理担当役員は、社内用に倫理トレーニングプログラムを開発、実装できるほか、その効果を監視することで、経営陣が成果を判断できるようにする。
2.会社の評判と認知度を高める
ここ数年、スキャンダルやそのほかの悪事で評判を汚された企業は少なくない。そうした泥沼から這い出すべく、MCIなど一部の企業は、従業員、規制当局、および一般社会で評判を取り戻そうと倫理担当役員の採用に踏み切っている。MCIにとっては幸運なことに、苦労の末、同社は危機を脱し、NASDAQ市場への復帰を果たした。ただし、トラブルが生じる前に先を見越して倫理担当役員を採用しておけば、そもそも問題の発生自体を軽減できるはずだ。
3.問題を報告するためのメカニズムを提供する
米国量刑委員会(United States Sentencing Commission)と連邦判決ガイドライン(Federal Sentencing Guidelines)では、企業に対し、違法行為を報告するための非報復的システムを配備するよう奨励している。倫理問題の報告を受け、管理するためのインフラの開発と実装は、倫理担当役員が責任を持って行うべき作業の1つだ。こうしたシステムには、連絡先として、電子メールアドレス、匿名での電話/FAX番号、Webコンタクトページなどを含めるといい。
非倫理的な行為や不正行為に関する報告を受けた場合、優れた倫理担当役員であれば、それを徹底的かつ慎重に調査する。問題を報告すれば、しっかりと調査してもらえると分かれば、おそらく従業員はそうした報告を行うだろう。これは、モラルの向上につながるだけでなく、コスト効率の改善ももたらすだろう。とりわけ、リソースの濫用が報告される場合はなおさらだ。リソースの濫用は会社に多くのコスト負担をもたらす可能性があるからだ。また、故意であれ過失であれ、顧客情報の流出について社内に報告システムがあれば、訴訟に発展する可能性を軽減できるはずだ。
倫理担当役員は社内に倫理的な企業環境を構築し、具体的なポリシーやガイドラインによってそうした環境を支援できる。それにより、会社の力は強化されるはずだ。これは今日、特に重要なポイントとなる。いったん社内の倫理が崩壊すれば、その後、社内のあらゆるレベルに深刻な影響をもたらしかねないからだ。
本稿筆者のジョー・マレック氏はセントルイスに拠点を置くエンタープライズ・レンタカー社のセキュリティアナリストで、コンプライアンスとアプリケーションセキュリティを専門としている。情報システムセキュリティ協会(ISSA)のセントルイス支部代表のほか、ISSA国際倫理委員会の委員も務めている。
(この記事は2006年2月9日に掲載されたものを翻訳しました。)
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