マスタデータ管理(MDM)とは、複数のシステムで共有する重要なデータを統一的に記述・表現するための戦略と技術を組み合わせたもの。包括的な戦略を通じて異なるグループの情報を一元化する必要のある今日の企業に欠かせないツールだ。
ITアナリストらによると、ERP(Enterprise Resource Planning)システムの普及拡大、法規制の強化、SOAの登場などを背景として、CIOはマスタデータの管理方法の改善を強いられている。
調査会社IDCでは、マスタデータ管理(MDM)サービス/ソフトウェアのグローバル市場の規模は、2009年までに104億ドルに達すると予想している。
調査会社ガートナーのアナリスト、アンドリュー・ホワイト氏によると、マスタデータというのは、複数のシステムで共有する必要がある重要なビジネス情報を指す。MDMは、このデータを統一的に記述・表現するための戦略と技術を組み合わせたものである。その目標は、共通のデータを再利用することによって、ビジネス価値を高めることにあるという。
「CIOは今後、単に個々のプロジェクトの情報を扱うのではなく、企業の俊敏性と機動力を高めたいというCEOの要求に応えなくてはならなくなるだろう。すなわち、包括的な戦略を通じて異なるグループの情報を一元化する必要があるということであり、その際に要となるのがMDMである」とホワイト氏は説明する。
MDMの成功に至る手順として、専門家らは以下のステップを推奨している。
CIOは、組織全体を通じて認識されている特に厄介なビジネス問題に照準を合わせること。
ベンタナリサーチの副社長兼調査ディレクター、デビッド・ワディントン氏は、「最も効果的な方法は、整合性のないマスタデータに直接起因するミスのコストを特定することだ」と話す。
統一的なデータビューがあれば、CIOが販売機会の喪失や非効率的なプロセスのコストを数値化するのが容易になる。
AMRリサーチのMDMアナリスト、ビル・スワントン氏は、「ある企業から聞いた話だが、MDMを導入する前、その会社は2つの製品のケースのサイズに関して間違った情報を持っていた。この間違いによる輸送のムダは、毎週7台のトラックで空荷のまま北米を横断するのに相当したそうだ」と話している。
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