6歳のころ、わたしにとって一番難しい選択は、1週間分の小遣いの50セントでどのお菓子を買うかだった。今では取るに足りないことに思えるが、幼い子供たちがハロウィーンのトリックオアトリートに行くのを見て、昔この選択に散々悩んだのを思い出した。
当時、それは重要な選択だった。大抵の場合、毎週自分で買うお菓子だけが、わたしが食べられるお菓子のすべてだったからだ。お菓子を選ぶために考えるべきファクターはたくさんあった。1袋にお菓子が何個入っているか。安い個別包装のお菓子(風船ガムや一口サイズのチョコバーなど)を何種類か買うことにするか、それとも1種類のお菓子の特大袋を買うか――。また、そのころ発売されたばかりの「ビッグブロック」という特大のチョコバーがあった。これは50セントで、当時のお菓子1個の値段としては高額だ。わたしはこの大きなチョコの塊が食べたくてたまらなくなることがよくあった。だが、普通サイズのチョコバー(35セント)にすれば、ほかにも小さなものを幾つか選ぶことができた。
結論を出すのはわたしにとって大変なことだった。何を買うか決めるのに毎週30分もかかった。選択肢がたくさんあり、どれも同じように魅力的だった。では、なぜ無作為にどれかをつかむことにして、時間を浪費するのをやめなかったのだろうか。それは今も不思議だ。そのころのわたしはお菓子売り場にあるものなら全部好きだった。だから適当にお菓子をひとつかみして家に帰るようにしていれば、もっと簡単だったはずなのだが。
わたしは最近、同レベルの良い選択肢の中から何かを選択するのに苦労するのは、6歳の子供だけではないと知った。ビュリダンのロバとITプロフェッショナルも、同じ問題を抱えている。
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