導入前に要チェック! 3つのマネージドVPNの見どころを押さえる中堅・中小企業のためのマネージドVPN【後編】

「簡単、安心、手間いらず」で安価に運用できるマネージドVPNは、IP-VPNとは違うサービスとして注目される。では、料金やサポートなどサービス内容についてはどうか。気になる部分をチェックしてみよう。

2009年02月26日 08時00分 公開
[池田冬彦]

 マネージドVPNは、IP-VPNに比べて運用コストが安く、しかも導入から運用に至るあらゆる作業を事業者に任せられるため、特に中堅・中小企業の有力な選択肢となっており、その需要は一層の高まりを見せている(本特集前編「IP-VPNとマネージドVPN、どちらを選ぶ?」を参照)。後編では、NTTコミュニケーションズが提供する「OCNビジネスパックVPN」、ソフトバンクテレコムが提供する「ULTINA Managed VPN」、インターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJマネージドVPN PROサービス」の具体的なサービス内容を解説するとともに、サービスの選び方について見ていくことにしよう。

それぞれユニークな主要3サービスを切る


OCNビジネスパックVPN

内容
事業者 NTTコミュニケーションズ
VPN方式 IPsecまたはSSL VPN
VPN機器の提供 レンタル
最大VPNトンネル数 999トンネル(IPsec:Netscreen-204使用時)、1000トンネル(SSL VPN:FirePass 4100使用時)
回線二重化 可能(VPNルータにヤマハ「RTX 1000」を利用し、ISDN回線を利用)
基本サポート内容 センドバック/オンサイト保守(ビジネスアワーのみ、または24時間対応のいずれかを選択)、ping監視
対応アクセス回線 NTT東西の提供するフレッツサービスのアクセス回線、またはOCNが提供するアッカ・ネットワークスの回線

 OCNビジネスパックVPNは、NTT東西が提供するBフレッツやフレッツ光ネクスト、フレッツ・光プレミアム、フレッツ・ADSLなど、OCN網にアクセス可能なブロードバンド回線をそのまま利用し、VPN接続を実現するサービスだ。拠点間のVPN接続はOCN網を通じて行われる。IPsecだけでなくSSL VPNにも対応し、IPsecとSSL VPNの同時運用も可能だ。

 IPsecに対応するVPN機器は、SOHO、サテライトオフィスなどの小規模拠点向けのジュニパーネットワークス「Netscreen-HSC(Plus)」「Netscreen-5GT(Plus)」(現:「SSG」シリーズ)やヤマハ「RTX 1000」、中規模拠点向けの「NetScreen-25/50」、大規模拠点向けの「Netscreen 204」のいずれかが、拠点の想定トラフィックやニーズに応じて利用できる。この中でRTX 1000を選んだ場合は、ISDN回線をバックアップ回線として利用できる。また、SSL VPN向けにはF5ネットワークスの「FirePass 1000/4100」のいずれかが選べる。

図1 OCNビジネスパックVPNの利用イメージ

 機器の設置や設定、保守サポートをカバーしており、導入後の基本サポートとして平日9~17時のセンドバック保守(故障した場合の機器交換)/オンサイト保守(障害発生時に現場で対応)を用意している。また、ユーザーの要望に応じて24時間365日のオンサイト保守メニューを選ぶことも可能だ。また、ping監視サーバを使った死活監視にも対応し、pingエラー時は指定したメールアドレスに通知するサービスも提供する。

 また、IPsecのオプションサポートとして、VPN機器リソース監視や故障時の能動保守、専用ポータルサイトによるネットワーク稼働状況のリポーティングなどを提供する「おまかせサポート」を提供している。ping監視、ログ確認、基本ポータルのみを提供する「ライト」(月額1050円)、ライトの内容にVPN機器リソース監視、故障時の能動保守を加えた「スタンダード」(月額2625円)と、スタンダードの内容に詳細なリポート機能を追加した「プレミアム」(月額5040円)のいずれかを選べる。

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