要件管理/テスト管理の機能を統合し、両プロセス間を双方向で確認することによって、ソフトウェアの品質向上を支援する。
日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は2月25日、ソフトウェア開発時の要件管理とテスト管理を統合するソフトウェアの新版「HP Quality Center 10.0」(以下、Quality Center)を発表した。要件定義やテスト資産などの情報を単一のリポジトリで管理することで、要件の変更に伴うテスト工程の変更に柔軟に対応でき、テストで発生した不具合の原因を迅速にトラッキングすることが可能。
Quality Centerは、ユーザーの業務要件を実現するための機能、性能、セキュリティなどを管理する「要件管理モジュール」、テスト計画時に優先順位やリスクの評価や分析する「テスト計画」機能、「テスト実行・管理」機能、「バグ・QA管理」機能などで構成される。
今回発表された新版では、ソフトウェア開発時に頻繁に発生する要件定義プロセスの変更とそれに伴うテストプロセスの変更を双方向で確認し、両プロセスの矛盾を防ぐことでソフトウェアの品質向上を支援する機能が追加された。
Quality Centerでは、要件やテストスクリプト、ビジネスコンポーネントなどの各テスト資産の変更履歴を管理する「バージョン管理」機能、任意の時点におけるテスト資産の内容をスナップショットとして包括的に管理し、必要に応じてその状況を再現する「ベースライン管理」機能などが利用できる。
また、同社の自動機能テストツール「HP Quick Test Professional software」が作成、使用した共有オブジェクトや関数ライブラリ、データテーブルなどのデータリソースのバージョンをQuality Center内で管理することも可能。
同社のHPソフトウェア事業本部マーケティング部プロダクトマーケティング、岡崎義明氏は、現在のシステム開発では、システム間のデータ連携の幅が広がり、コンプライアンス対応が求められ、さらにオフショア開発が進んでいるため、「プロジェクト単位での品質管理には限界がある」と指摘した。その上で、今回の新版では「プロジェクトを越えた、全社レベルでの品質基準を確立する機能を提供する」と説明した。
Quality Centerでは「プロセス設定支援機能」を利用できる。この機能は、すべてのプロジェクトに適用すべき共通の品質プロセスをテンプレート化して、各プロジェクトに自動的に配布するというもの。組織レベルでの品質プロセスの標準化を図ることができる。また、テンプレートを基にプロジェクト独自のカスタマイズを加えることも可能。
さらに、Quality Centerでは、ほかのプロジェクトで定義されたテスト資産の内容をインポートして再利用できる機能を提供する。プロジェクトごとに異なっていたテスト粒度を統一することで、異なるプロジェクトが同時に同じシステムを変更した際に発生していた不具合を解消できるという。
Quality Centerは提供する機能によって、次の3つのエディションが用意されている。テスト管理機能のみの「Starter Edition」、プロジェクト単位での要件/テスト管理向け「Enterprise Edition」、複数プロジェクトにも対応する「Premier Edition」。プロセス設定支援機能と要件/テストの再利用機能はPremier Editionでのみ利用できる。4月1日より販売を開始する。
製品名 | サイトライセンス(税込) |
---|---|
HP Quality Center Starter Edition | 50万4000円 |
HP Quality Center Enterprise Edition (Quality Center High Availability Server含む) |
504万円 |
HP Quality Center Premier Edition (Quality Center High Availability Server、同時接続5ユーザーパッケージ含む) |
924万円 |
要件管理モジュールのみの追加ライセンス | 33万6000円 |
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