意外と多くの類似点がある2つの役職
プロジェクトマネジャーはCEOの最良の友
技術的、組織的な経営サポートの強化を必要としているCEOは、今こそ最良の友、つまりプロジェクトマネジャーの力を借りるときだ。
2008年後半以降の景気後退の影響で、営利や非営利、政府関連を問わず、ほとんどすべての組織の財務状態が、1年前の見通しとは大きく異なってしまっている。こうした未曾有の状況に対処するには、CEOを組織内の全員がサポートすることが必要だ。特に、チームをリードし、迅速に意思決定を行い、割り当てられた仕事をこなすことができる人からのサポートが重要になる。
こうした望ましい特性は、プロジェクトマネジャー(PM)のコアコンピテンシーとぴったり一致する。意外なことではないが、PMの役割は多くの点でCEOの役割と似ている。
CEOもPMも予算を管理し、チームのメンバーを指揮し、成果の達成に責任を持つ。両者とも、組織が重要と考える主要なビジネス目標をサポートする計画と活動を策定する。いずれも、アイデアや予算、スケジュール、専門能力を、チームメンバー、ステークホルダー、顧客に「売り込む」。
CEOとPMは、自分の信用や誠実さによって人々に影響を与え、敬遠されがちな仕事や、間に合わなさそうな仕事も遂行させていく。また、人間行動に関する“知識”や、動機付けを行ってきた“経験”、物事を額面通りに受け取れるかという“直感”を駆使する。さらに、専門知識を応用して、ソフトウェアが期待されたパフォーマンスを発揮するかどうかを確認したり、商品が計画された品質レベルを満たすようにしたり、現実的なスケジュールを設定したりしている。
CEOとPMは通常、自分の影響力の限界や、自分の指示の制約、自分の意思決定の法的要素を理解している。彼らは手厳しい批判や余計な口出し、独り善がりな意見を平然と受け止めて対応する強さを持っている。また、意図に反して組織でミスや手落ち、予期せぬ結果が発生した場合の心理的なストレスにも耐えられる。
もちろん、CEOとPMの仕事は違う。PMは契約に署名することはできず、経営チームのメンバーでもなく、組織全体には関与していない。CEOは取締役会と株主に対する企業責任を負っており、長期的な戦略計画を策定し、企業文化の全体的な基調を定める。また、財務コンプライアンスの責任を持ち、エグゼクティブマーケティングに携わり、人的資本管理に関与している。
では、なぜPMはCEOの最良の友なのか。端的に言えば「プロジェクトへの献身と人柄の誠実さ」のゆえだ。
ほとんどの上級PMは、プロジェクトに深く献身しており、非常に誠実だ。これは、長年にわたって自身のチーム、経営チーム、顧客から信頼されながら仕事に取り組む中で培われた特徴だ。
多くの組織において、上級PMはプロとしてのキャリア、将来の収入、自分の生活のすべてを懸けて、プロジェクトとチームの成功に向けて取り組んでいる。「献身と誠実さ」は、望ましい、そして必要な資質だ。これらの資質は、あらゆるタイプの組織が今日の不安定で複雑な経済状況の中で、市場で競争していくために必要な適切な商品やサービスを開発し、実現するのを支援するために不可欠なものだ。
不測の状況では、困難な課題を克服するために、あるいは生き延びるために、さまざまなスキルを融合させなければならないことが多い。上級PMは、いかにしてそうした融合の力をプロジェクトに活用するかを以前から知っている。成功するCEOも、仕事のやり方を知っている人に仕事を任せなければならないことを以前から知っている。
PMとCEOには多くの類似点があるにもかかわらず、組織階層上、多くのPMはCEOに密接に協力する機会がない。これは驚くべきことだ。現在の深刻な経済的課題を考えると、この関係は変えなければならない。技術的、組織的な経営サポートの強化を求めているCEOは、今こそ最良の友、つまり上級PMスタッフの力を借りる時だ。
本稿筆者のローレンス・オリバ氏は、エンジニアリング・プログラム管理の国際企業CH2M HILLの上級コンサルタント兼プログラムマネジャー。現在米首都ワシントン地域を拠点として、リスク管理、出来高分析、コスト/スケジュール科学分析、バイオメトリックセキュリティ、グリーンIT導入の経験などを要する独自の技術的課題を抱えた米連邦政府と民間顧客のために、中~大規模のITプログラムを率いている。
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