中小取引先の流通BMS普及を加速する「WinWin-EDI」流通BMS対応製品紹介

流通BMSは大手小売業の動向に注目が集まりがちだが、取引関係にある多くの中小企業が導入できるかどうかで普及が左右される。「WinWin-EDI」はその課題に挑戦している。

2009年07月23日 08時00分 公開
[富永康信,ロビンソン]

導入コストやサポート体制の負担がEDI導入を阻害する

 従来のJCA手順に代わる企業間取引手段として、次世代EDIである流通BMSの普及に業界は大きな期待を寄せている。しかし、その活用には小売企業側がサーバを立てるとともに、取引先(卸・メーカーなど)も自社でサーバやクライアントPCを用意するなど、さまざまな準備が必要となる。特に中小のメーカーや卸などはこれらの導入コストやサポート体制が負担となり、EDI導入が阻まれるケースも多い。流通BMSが今後広く普及していくためには、これらの課題の解消がカギとなっている。

 この課題をいち早く問題視していたのが、流通業向けに業務効率化のビジネスコンサルティングやシステム再構築を行うリテイルサイエンスだ。同社は、受注データの受け取りから出荷のデータ出力、返品処理、請求・支払いまで、基本的な受発注業務をパッケージ化した「WinWin-EDI」を開発。流通BMS対応のEDI導入を、業務アプリケーションの導入から運用サポートまで一貫して支援するサービスとして提供している。

 同社はシステム導入による業務効率化に特化するため、データアプリケーション(DAL)の「ACMS Lite」やインターコムの「Biware JXクライアント」、ウルシステムズの「UMLaut/J-XML」など、JX手順(SOAP-RPC)に対応した比較的安価かつメジャーな通信ミドルウェアと、WinWin-EDIを完全連動するよう設計した。

 また、現行形式(JCA手順やユーザー定義)と同様の固定長ファイルに変換することで、経理や財務などのほかの自社システムと連携できるため、カスタマイズすることなく流通BMSへの移行を可能にする。

コールセンターによるサポートにも対応

 WinWin-EDIの基本ライセンスに含まれる年間の保守サービスには、本ソフトのインストールを含む利用開始時の電話サポートが含まれる(初年度必須で次年度からは1年間の自動更新)。また、EDI支援パッケージベンダーには珍しく、コールセンターによる問い合わせ対応(365日、9:30〜21:00)も利用できる。コールセンターは流通業の業務に長けたアウトソースを活用しており、土日や年末年始など流通業企業にとっての書き入れ時にもサポートが受けられる。PCに不慣れな店長などを抱える中小企業にとっては安心材料といえるだろう。

画像 WinWin-EDIは、社内WANを介した受注と出荷などが異なる環境で、端末5台までの利用を想定している。PCベースのパッケージソフトのため、手を加えることなく流通BMSに容易に対応できる。なお、図中の無線ハンディによるピッキング・出荷検品はオプションとなる
画像 起動時に表示されるメイン画面。データ送受信、内容確認、帳票印刷など、流通BMSで決められた業務フロー通りに配置され、直感的に処理の流れが理解できる《クリックで拡大》
画像 受注データの確認、印刷を行う画面。伝票形式、商品別形式、店舗別形式の3つの視点で表示することが可能《クリックで拡大》

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