新しいプロジェクトメンバーを迎える際に気を付けたいことあるプロジェクトマネジャーの“つぶやき”【第1回】

“きつい”“帰れない”“給料が安い”の「3K」ともやゆされるIT業界だが、毎年新入社員がやって来る。彼らが開発現場で即戦力になってもらうために、プロジェクト管理者は何をすればよいのだろうか?

2009年08月27日 08時00分 公開
[小崎敬介,カブドットコム証券]

 初めまして。わたしはカブドットコム証券のシステム部門に所属し、プロジェクトマネジャー(PM)として、主に証券取引システムの開発・運用に従事しています。

 本連載では、わたしが日々のプロジェクト管理業務を通して気付いたことや感じたことを、現在普及しつつある「Twitter」のように“つぶやいていこう”と思います。肩ひじ張ったような硬い内容は避け、プロジェクト管理者や開発メンバーの方々に気軽に読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

 さて、この記事が掲載される8月といえば、研修を終えた新入社員が開発現場に配属されて約1カ月が経過した時期ではないでしょうか。読者の中には「新しく加わったメンバーとの接し方が分からない」という方もいらっしゃると思います。

 今回は、新メンバーを指導する立場のプロジェクト管理者や既存メンバーの方に向けて、彼らと一緒にプロジェクトを遂行する際に気を付けたい「4つのポイント」を紹介します。

1. まずは“やらせてみる”

 プロジェクトでは、新メンバーにいろいろな業務の指示を出すことになります。やる気のある彼らですが、実際の業務の中にはどうしても「面倒くさい」と思われてしまう内容も含まれていることもあるでしょう。また、頼まれる業務が増えるごとに「本当にやる必要があるのか?」「もっと効率的な方法があるのでは?」と考え込んで、その作業を中断してしまうことがあるかもしれません。

 既存のプロセスを疑うことは悪いことではありませんし、実際により良い改善策を思い付くこともあるでしょう。しかし、最初のうちは余計なことは考えさせずに「まずはやらせてみて、後からそのプロセスや結果を考えさせる」の方が吉だと思います。

 なぜなら、彼らは「自分の担当する業務がプロジェクトのどの部分に役立つのか」など、プロジェクト全体を通した各業務のつながりが分からないことが多いからです。

 例えば、彼らに依頼したタスクが完了した後にほかのメンバーの担当するタスクが開始される場合、前提となる作業の進ちょくが遅れればその分終了時期も遅れ、次の工程に影響を及ぼすこともあります。あれこれ悩む前に、まずは行動を起こさせるようにしましょう。

2. 必ず“タスクの期限(締め切り)”を確認させる

 わたしはプロジェクト案件を進める中で、プロジェクトメンバーにいろいろと作業を依頼します。その際に「いつまでに終了すべきか」という期限を確認されないことがあります。指示されたタスクに期限が含まれていない場合は、その期限を必ず確認する習慣を身に付けさせることが大事です。

 プロジェクトは基本的に、限られた時間の中で進められます。プロジェクトメンバーは、担当するタスクの期限を常に意識する必要があります。せっかく頑張って仕上げた作業でもその期限を大きく過ぎてしまった場合は、管理者という立場上、彼らを厳しく注意する必要があります。

 また、タスクの期限を確認しないと、そのタスクの重要度や優先順位が分からないだけでなく、彼ら自身のスケジュール管理も難しくなります。特に、プロジェクトにおける“こまごまとした業務”を頼まれることが多い新メンバーにとっては「頼まれた業務がすべて重要に思えて、どれから着手すれば良いのか分からなくなる」こともあるのではないでしょうか。

 このような場合、依頼されたタスクの期限を必ず明確にして、それを基に自分の中で優先順位を付けて管理させるようにしましょう。この習慣付けは今後、彼ら自身の生産性を向上させるスキルとしても非常に重要なことです。

 とはいっても、最初は定められた期限を過ぎてしまうかもしれません。その場合でも「与えられたタスクの多くは、早めに相談・報告さえしておけばリカバリが可能である」ことを学ばせる機会になります。管理者側でもその点を考慮して、まずは失敗しても大きなトラブルには至らないような業務を依頼するべきだと思います。

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