シトリックスは2010年、国内のデスクトップ仮想化市場に本格的に参入する。営業力を強化し、XenAppユーザーに対しXenDesktop 4へのアップセリングを推進する。
シトリックス・システムズ・ジャパンは2月24日、2010年の戦略に「デスクトップ イノベーション」を発表した。「2010年は日本におけるデスクトップ仮想化元年」とし、デスクトップ仮想化事業に本格的に乗り出す。
シトリックス・システムズ・ジャパン 副社長 木村裕之氏は、「米国では2009年、1万〜10万ユーザーが利用する大規模なデスクトップ仮想化導入案件が多発し、デスクトップ仮想化の売り上げが全体に占める割合は、2008年の2%から23%にまで増加した。一方、日本の2009年の売り上げは4%だった。日本はこれから伸びる」と予測している。
具体的な戦略は、「エンタープライズ営業の強化」「アップセリング(上位製品販売)とクロスセリング(関連製品販売)の展開」「DaaS(Desktop as a Service)/クラウドビジネスの推進」「サービス基盤の強化」の4つを掲げる。
まず、エンタープライズ営業の強化では、営業の人員を2009年に比べ約3倍、20人程度に増員する。「2009年はトップ25社にフォーカスしたが、2010年は200社にフォーカスする」(木村氏)。また、SIパートナーとの結束を強化する。「デスクトップ仮想化の導入ではアプリケーションの仮想化と違い、部門ごとの最適化よりも会社全体での最適化が重要。全社展開では技術がより複雑化するため、SIの力が非常に必要になる」(木村氏)
2つ目のアップセリングとクロスセリングの展開では、日本の1万8000社、400万のCitrix XenAppユーザーに対し、Citrix XenDesktop 4への拡張を勧めるトレードアッププログラムを推進する。同プログラムは、Citrix XenAppの全ユーザーライセンスを2倍の数のCitrix XenDesktopユーザーライセンスに交換でき、新規でXenDesktopを購入する場合に比べ、最大で80%の導入コスト削減が可能。同社は併せてネットワーク仮想化ソリューションも提供し、クロスセリング展開を狙う。
3つ目のDaaS/クラウドビジネスの推進では、DaaSやクラウドサービスを構築するパートナー企業に対しシトリックス製品を提供する。クラウドサービスでは、「HDXという高速のネットワークプロトコルが強みになる」(木村氏)
4つ目のサービス基盤の強化では、コンサルティング、教育、サポートの3つを実践する。「主に設計や構築を担当するパートナー企業と住み分けを図るため、シトリックスではROI(Return on Investment)の算出、評価、クラウド基盤システム方式の策定といった上流部分のコンサルティングを担当する」(木村氏)。教育では、Citrix XenDesktopやCitrix NetScalerといった同社の主力製品に関する最新技術情報を提供するほか、技術者認定トレーニングの実施回数を増やし、受講者・認定者の数を2009年比2倍にする計画だ。サポートでは、パートナー企業に対し障害対応方法や導入事例などを紹介する。
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