米VMwareは、仮想化だけでなくクラウドにおいてもリーディングカンパニーとしての存在感を示す方針を発表した。
米VMwareは3月2日、社長兼CEO ポール・マリッツ(Paul Maritz)氏による来日記者会見を開催し、2010年度は仮想化だけでなくクラウドにおいてもリーディングカンパニーとしての存在感を示すとした。
2009年度は前年比8%増の20億ドルの売り上げを出したVMware。来日したマリッツ氏は、「全世界の仮想化環境で動作するアプリケーションの89%はVMware上で稼働している」と、同社が仮想化市場でのリーディングカンパニーであると主張した上で、「VMwareは仮想化だけの企業ではない。メインフレーム時代のIBM、クライアント/サーバ時代のMicrosoft/Intel、Web時代のGoogle/Amazon.comに匹敵する、クラウド時代におけるリーディングカンパニーの1つになる」(同氏)と2010年度の方針を語った。
その具体的な戦略として、同社のプライベートクラウド構築システム「vSphere 4」を活用し、パブリッククラウドとプライベートクラウドの双方のメリットを兼ね備えた「ハイブリッドクラウド」を推進し、そのための基盤製品を積極的に投入していく。
もう1つ、クラウドへの取り組みとして、ZimbraやSpringSource買収を例に、VMware上で稼働するアプリケーション群を拡充させていく方針も示した。セキュリティやコンプライアンスを理由に自社内でSaaS(Service as a Software)を利用したい企業に向けて、仮想化ベースのプライベートクラウド構築を促進し、VMware上でSaaSのアプリケーションを開発できるようにする。これにより同社は、サーバとアプリケーションを一体化して提供することが可能になる。
また、仮想化環境の自動化の促進とサービスポータルの充実にも注力する。仮想化ベースで構築したプライベートクラウド環境をIT部門のユーザーが管理しやすいように、管理ツールの自動化を進め、VMware上に管理ツールやアプリケーション、データベースなどをメニュー化したサービスポータルを用意する予定。
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