コスト管理の手間が省けるプロジェクト原価管理ツール「A-Sign」プロジェクト管理ツール紹介:デイルート編

コスト削減が叫ばれる中、プロジェクトにおけるコスト管理にもより厳格さが求められる。しかし、実際にプロジェクトで行われているコスト管理はプロジェクトマネジャーのスキルに左右されることが多い。

2010年04月12日 08時00分 公開
[唐沢正和]

プロジェクトのコスト計算はPM本来の業務ではない!?

 「品質管理」「納期管理」「コスト管理」の3つは、いずれもプロジェクトマネジャー(以下、PM)にとって欠かすことのできない業務能力だ。実際のプロジェクトにおけるコスト管理は、現場スタッフの想定単価や稼働時間などを基にした理論原価だけでなく、財務部門が把握する契約金額や実際原価など複雑な関連性がある。そのため高度なスキルが必要と考えられ、PMや財務担当者がそれぞれの属人的手法で労力を掛けて“コツコツ”とコストを算出していることが多いだろう。

画像 デイルートの金山氏

 デイルート代表取締役の金山成珍氏は「コスト計算はPMのスキルにかかわらず定型作業化することができる業務である」と指摘し、「本来、PMの能力はコスト計算ではなく、非定型作業の品質管理や納期管理において発揮されるべきだ」という。

 今回は、プロジェクトにおけるコスト管理を支援する同社のプロジェクト原価管理ツール「A-Sign」を紹介する。プロジェクトのコスト管理の定型作業化に必要な機能とは一体何であろうか。

プロジェクトにおけるコスト管理の課題

 同社ではA-Signの開発に当たり、現在のプロジェクト管理が抱える課題として次の5つを洗い出し、それらの課題すべてを解決するための機能をA-Signに盛り込んだという。

  • 複数のプロジェクトにまたがるコストが多く、販管費が肥大化し、本当の利益が把握できない
  • 経営サイドと現場サイドのコスト認識にギャップがある
  • 工事進行基準に対応し、進行途中の売上進ちょくを把握したい
  • 月次計画を出すために細かい日次計画を作成する必要がある
  • 現場スタッフのリソース状況を把握できない

 金山氏によると「一般的なプロジェクト管理ツールでは、予算管理者、PM、プロジェクトメンバーそれぞれに向けた異なるツールが提供され、各ツール間のデータ連携が容易ではないこともあった」という。また、「最近ではPM向けツールと現場向けツールを融合した製品も普及してきたが、現場の情報を基にした日次データから月次データへの一方向の連携にとどまっていた」と説明する。その場合、月次データは日次データの集計値でしかなく、長期プロジェクトにおける月次計画は、その基になる日次データを作成しなければならないこともある。しかし、「遠い将来の細かい日次計画を作成することは面倒な作業になる」という。

 その上で、A-Signについては「個別原価管理とEVMの融合により、マクロな個別原価情報とミクロな現場情報のシームレスな連携を実現し、正確かつ定型的なコスト管理を可能にした」と説明する。

個別原価管理とEVMの連携によって正確なコスト管理を実現

 A-Signは“コスト管理の定型作業化”に注力して開発されたプロジェクト原価管理ツールだ。プロジェクト管理者や原価管理担当者のPCにインストールして利用する。プロジェクトにおけるスケジュールや財務情報、契約情報、作業実績などのデータを管理し、プロジェクト原価を算出する。

画像 A-Sign画面《クリックで拡大》
A-signの主要な機能
機能 概要
月次アサイン・日次アサイン ガントチャートでのスケジュール作成と要員割り当て
スケジュール管理 月次スケジュール(マクロ)と日次スケジュール(ミクロ)の連携
他部門との連携 リソース原価と契約金額や財務支払実績とを整合させ、原価差異を解消する
各種指標管理 個別原価管理における時系列での拡張、過去の生産性を参考に将来の生産性を予測するなど、さまざまなバリュー・コストを組み合わせた指標を把握できる
Microsoft Office製品との連携 ガントチャートのExcel出力、要件定義書のWord出力

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