会計人のための最新IT用語集の第5回は「クライアントPC環境」。いまや公私を問わず多くの人がほぼ毎日使っているPCはその技術を日々進化させている。セキュリティやネットワーク、アプリケーションなどに関連する最新のIT用語を分かりやすく解説する。
1人1台のWindows PC上でオフィスソフトウェア、という利用法が一般化した企業のPC環境。しかし、クライアントPCを取り巻く技術は日々変化している。例えばセキュリティに関する用語は次々に登場し、これまでのセキュリティに関する常識は過去のものになりつつある。また、業務効率化のために外出先や在宅勤務などオフィスの外でPCを使う機会が増え、そのための技術や仕組みも進化してきた。
本連載第5回では、一番身近な存在であるクライアントPC環境の最新を伝えるIT用語集を掲載する。知識のバージョンアップに役立ててほしい。
アップルのデスクトップ/ノートブック製品に搭載されるオペレーティングシステム(OS)。コアモジュールはUNIX互換で高い安定性と堅牢性が特徴。高い操作性や美麗な画面構成など、根強いファンが多い。Boot CampによるWindows環境との共存も実現した。
会計の視点 → 会計ソフトとの親和性は高くないが、工夫次第でWindows環境とのデータ互換も可能。→ 会計ソフトとの親和性は高くないが、工夫次第でWindows環境とのデータ互換も可能。
Solid State Driveの略。記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置でハードディスクドライブの代替として利用可能。ハードディスクと比較して高速に読み書きができ、消費電力も少なく、衝撃にも強いが、一般的に磁気ディスクより高額で記憶容量も比較的少ない。
Universal Serial Busの略で、PCやサーバへの周辺機器接続のためのインターフェイス規格。マウスやキーボード、外部周辺機器を統一的な規格で接続・拡張することができ、機器によっては電源供給も可能にする。最新のUSB3.0ではUSB2.0の10倍以上となる5Gbit/秒の転送を実現した。
Virtual Private Networkの略。インターネットなどの回線網をあたかも企業の専用回線であるかのように利用できるサービス。企業内ネットワークの拠点間接続などに使われ、それまでの専用回線導入より大幅にコストを抑えられる。リモートアクセス実現には必須。
会計の視点 →不正アクセスを防止するなどセキュリティ上の配慮が必須。
クライアントマシンで使用するオペレーティングシステム「Microsoft Windows」の一種。2010年9月現在最新版である。Windows Vistaの後継バージョンで、処理速度の向上や企業に普及するWindows XPとのアプリケーション互換も実現されている。
会計の視点 →利用しているアプリケーションが動作しない場合もあり注意が必要。
インストールとはアプリケーションソフトをコンピュータに導入する作業。セットアップとも呼ばれる。アプリケーションソフトをコンピュータから削除する作業のことをアンインストールという。管理されないまま、ユーザーがアプリケーションをインストール/アンインストールしないよう注意が必要。
会計の視点 →不用意なインストールはウイルス感染などのリスクを伴う。
ワープロソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなどオフィス業務で一般的に使用されるソフトウェアをひとまとめにした製品。ユーザーインターフェイスの統一や、共通した機能、緊密なアプリケーション間連携などの工夫がされている。Microsoft Officeが一般的。
会計の視点 →内部統制上、オフィスソフトで作成したデータの管理も重要である。
PCのデスクトップ画面に表示される、不要データを削除するための領域またはそれを示すアイコンのこと。不要データをごみ箱に入れて「ごみ箱を空にする」ことでそのデータは利用できなくなる。ただしこれはアクセスするためのポインタを削除したのみで、データそのものは消えていないので注意が必要。
会計の視点 → ごみ箱を削除してもデータ自体は復元可能なので重要な情報を削除するときやPC廃棄時は配慮されたい。
作業状態をハードディスクに保存して省電力状態にすることを「休止状態」、さらに加えてメモリ上にも保存したまま省電力状態にすることを「スリープ」と呼ぶ。一般的に休止状態のほうが復帰に時間がかかる。「スリープ」はWindows XPの「スタンバイ」と「休止状態」の両方を実現するWindows Vistaの新機能。
会計の視点 →電源オンの状態でノートPCを持ち歩くのは落下・ディスク回転中のため故障リスクが高くなる。スリープなどを活用しよう。
ソフトウェアを使用する権利をデジタルデータの形式で保存し、利用者や利用数量を適切な管理ポリシーや利用コストに基づいてコントロールする方法。近年では違法ライセンス対策として、ネットワーク経由での認証などの方法で厳格なソフトウェアライセンス管理が行われるようになった。
会計の視点 → 部署内でのライセンスが必要数確保されているかは注意を払っておきたいところ。
アップロードとはクライアントからファイルなどのデータをネットワーク経由でサーバなどに転送すること。サーバなどからクライアントにファイルなどのデータを転送することをダウンロードという。ウイルス感染、データの正確性、情報漏えいなどへの配慮が必要である。
会計の視点 →会計データなど機密性の高いデータでは特に取り扱いに注意が必要。
PCやシンクライアントなどからデータセンターなどに構築された仮想マシンにネットワーク経由で接続、仮想マシン上のデスクトップ環境を活用すること。画面データやアプリケーションをPCに配信する。端末側にはアプリケーション、データが不要なばかりか、OSすら不要となる場合もある。
会計の視点 →クライアントにデータを持たない意味でセキュリティ面では有効。
重要なデータへのアクセスを制限するための手段として、データの保存状態を固有の方法により暗号化すること。通常は暗号化されたデータは第三者に奪取されても内容を読み取ることができないか、復号に膨大な時間がかかるため不正アクセスに対する防御手段として有効である。
会計の視点 →外部との受け渡しデータやUSBメモリなどの外付デバイスについては極力暗号化を推奨したい。
普段利用しているデータを外部接続機器などの別環境に保存することで、事故などによるデータ消失を回避する作業がバックアップ。リストアはそれに対して別途保存しているデータを利用環境に復元させる作業のこと。いずれも日々のデータを確実に保全するために欠かせない作業と位置付けられる。
会計の視点 → 重要データのバックアップに当たっては、定期的なリストアテストも忘れず実施されたい。
特定情報へのアクセスに当たり、本人固有の情報を使って不正な利用を防ぐ技術全般を指す。ICカードなどの所有物認証、パスワードや暗証番号などの知識認証、指紋や静脈などの生体認証がある。どこでもネットワークにつながるユビキタス時代に本人確認を自動化・効率化する技術として広く普及している。
会計の視点 → 認証技術により、受信したメールが送信者本人から確実に送られたものであることも検証できる。
オペレーティングシステム(OS)が起動する前に入力するパスワード情報のこと。PCなどのハードウェアに組み込まれる形で実装され、ハードウェアを分解・換装してもこのパスワード情報がなければ起動できないものが多い。たとえばノートPCの紛失リスクに対して強力な対策になり得る。
会計の視点 → 移動して使用する機会の多いノートPCの紛失対策として必ず施しておきたい。
自由(free)に利用できるソフトウェアの総称。利用の対価が無償の場合が多い。ソースコードを入手可能、改変自由、再配布自由などのライセンス上の特徴がある。OSのLinux(のカーネル部分)は代表的なフリーソフトウェアである。
会計の視点 →自由・無料で使える半面、商用ソフトウェアのようなサポートはないことが多く、積極的な情報収集が活用の鍵となる。
無線通信でデータのやりとりをするLANのこと。レイアウト変更が多いオフィスなどでは、LANケーブルの引き直しに掛かるコストが削減できる。ただし有線LANと比較してデータ伝送速度が速くないことや、ほかの電子機器との電波干渉による通信エラーが発生することもあり注意が必要。
リモートアクセスとは外部から会社などのネットワークを利用する技術。この技術を利用しネットワーク上のパソコンの遠隔操作を行うことをリモートデスクトップという。 外部からの社内アプリケーションの使用や、メールを介さない大容量ファイルのやり取りなども可能。
会計の視点 →業務の効率化は見込めるがセキュリティ面で注意が必要。
ログインとはユーザーID、パスワードの入力などの手続きを経て、クライアントからサーバなど複数ユーザー用コンピュータシステムに接続し使用を開始すること。ログアウトとはサーバなどのコンピュータシステムとの接続を切り、使用を終了することをいう。
会計の視点 →内部統制上、ログイン・ログアウト時間、ユーザーの記録・管理が必要。
公認会計士、監修・執筆、クレタ・アソシエイツ
執筆、日本オラクル
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