世界2300社のITマネジャーを対象に、2011年のIT投資について聞いた。ITインフラよりも、事業の成長を支援するアプリケーションへの投資を再び重視する傾向がみられた。
2010年は企業のIT投資が例年になく落ち込んだ。米国と欧州が1930年以来最悪の経済危機から脱出できなかったからだ。しかし2011年は一部で景気回復の兆しも見え、米TechTargetが実施した「2011 IT Priorities Survey」(2011年IT優先度調査)に協力した世界各国(今後重点調査を予定している中国を除く)の2300社の回答企業によると、2011年のIT投資は約2.8%増加する見込みだ。
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回答企業のIT部門の42%は、IT支出が通常レベルに回復してきた。「不況からゆっくりと回復に向かっている」と答えたのは43%で、「回復の兆しがない」という回答は15%だった。通常レベルに回復しつつある状況は、46%のIT部門で予算が5%以上増加したことからも見て取れる。
しかし全世界のIT分野の様相は大きく変化しつつある。例えばインドでは2011年、IT投資が5%伸びると予想されている。これに対し、北米の伸び率は1.4%、欧州は1.6%にとどまる見込みだ。とはいえ、北米でもIT投資が5%以上増加する企業は32%に上る。
IT支出が回復軌道に向かう中、ITマネジャーたちは2007年の経済危機の直前以来、優先リストの上位を占めてきた項目を優先度の高い課題として挙げている。57項目の技術をめぐる取り組みについて質問したところ、ITマネジャーたちが選んだ優先課題の上位10項目は以下の通りだ。
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