日立HDテレビなどと同じブランド名を冠した「Wooolive」は、高品位かつ臨場感あふれるビジュアルコミュニケーションを実現する。その一方、SD端末が混在しても一定品質を保つ工夫が見られるのも特徴だ。
「Wooolive」(Wooo+NetCS-HD)は、2008年10月に製品化された日立製作所のビデオ会議システムである。本製品は、日立ハイビジョンテレビ「Wooo」と、ビジュアルコミュニケーションシステム「NetCS-HD」を組み合わせたもので、「Wooo」のブランド名を冠した愛称は、臨場感あふれるコミュニケーション環境のイメージを思い起こさせる。
Woooliveの目玉は、最大1280×720ピクセル(30fps/60fps)という高品位なHD映像と、エラー耐性の強い送受信を実現した点にある。日立製作所の北折孝幸氏(情報・通信システム社 通信ネットワーク事業部 企画ネットワーク本部 企画部 担当部長 兼 Wooolive開発部 担当部長)は、「開発当初より地デジ化を意識していた。今後、世の中の流れは基本的にHD対応が当たり前になってくる。そのため、従来のSDも包含する形でHDへの対応を考慮した」と説明する。
そして2008年当時、業界でいち早く最新の映像符号化方式であるH.264/SVC(Scalable Video Codec)を採用したという。2007年にITU-Tで標準化された最新コーデックである。映像信号を解像度ごとに階層化してチャンネル出力することにより、データ通信時のパケットロスによる品質劣化を抑制する技術が含まれている。そのため、仮にベストエフォート型のネットワークで通信状態が悪化しても、自動的に下位階層の解像度に変化(復元)させ、常に乱れのない映像のやりとりや音切れのない会議が行えるという特徴を持つ。
またWoooliveには、もう1つ特筆すべき点がある。接続する拠点の端末、回線によって解像度や速度が異なっていても、各ロケーションに最適な状態で接続できるように自動調節してくれるという。「通常、システムに解像度の低いCIF画像やSD画質の端末が混在する場合、それらに足を引っ張られる形で高画質のHD端末側の映像品質が落ちてしまう。しかしWoooliveでは、そうした混在環境でも映像パフォーマンスの低下を気にせずに利用できる」(北折氏)という。ロケーションによっては必ずしも高品質な映像が求められないこともあり、そのような場合にメリハリの利いた端末配置が可能になる。
もちろん映像だけではなく、「われわれも他メーカーと同様、音質は重要だと考えている」(北折氏)。「ビデオ会議業界では、当初から音質向上に力を注ぐメーカーは多い。会議を実施するときは映像も大事だが、音声が通じないとコミュニケーションを継続できないからだ」
Woooliveは、時々刻々と変化する音響環境に対応する「適応型エコーキャンセラー」を採用しており、環境による不快なエコーを抑制し、自然な音声を作り出すことが可能だ。さらに、ユニークなポール状のマイクアレイでは、会議中の話者の「口」の高さから出る音を集める工夫(上下方向の指向性制御)を凝らすことで、デスク上で資料をめくる音やPCのキーボードをたたく音など、バックグラウンドノイズをカットする「不要音除去機能」も搭載。こうした細かい配慮により、明瞭な会話を実現している。
Linux、異機種接続――独自路線でビデオ会議市場に切り込む「Visual Nexus」
コストパフォーマンスに優れた手のひらサイズのHDビデオ会議「LifeSize Passport」
シスコとの“共同戦線”でビデオ会議の適用領域を拡大する「TANDBERG Profileシリーズ」
民生から産業用まで、映像技術に裏打ちされたビデオ会議の集大成「PCS-XGシリーズ」
HD映像でも利用帯域は半分に、音声にも優れる「Polycom HDXシリーズ」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバー侵害を特定して封じ込めるために平均で280日の日数がかかるともいわれる中、セキュリティ対策には進化が求められている。そこで注目されるクラウド型シングルプラットフォームを取り上げ、期待できるビジネス価値を解説する。
営業活動においては特に重要なツールである「名刺」。切らさないことを前提に発注・管理しておく必要があるが、発注作業には手間がかかる。そこで注目したいのが、名刺申請から発注までのワークフローを構築できるサービスだ。
名刺の作成・発注業務は手間がかかる。従業員数が多ければ多いほどその負担は大きくなる。「発注作業が面倒」といった悩みを抱える総務・人事担当者は多いだろう。これらの課題を解消し、名刺の作成・発注業務の負担を軽減する方法を探る。
名刺作成業務において、「個別に発注するとコストが増大する」「デザインに統一感がない」などの課題を抱えている企業は多いだろう。そこで、無料で利用でき、名刺デザインの統一性を保ちながら業務負担を軽減できるサービスを紹介する。
多くの企業で業務マニュアルを動画化する動きが活発化しているが、ただの作業動画では活用されないケースも多い。動画マニュアルの活用に当たって重要になるポイントとともに、それらを容易に実現できるサービスを紹介したい。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...