H.264/SVCをいち早く採用、パケットロスに強いHDビデオ会議「Wooolive」ビデオ会議システム紹介:日立製作所

日立HDテレビなどと同じブランド名を冠した「Wooolive」は、高品位かつ臨場感あふれるビジュアルコミュニケーションを実現する。その一方、SD端末が混在しても一定品質を保つ工夫が見られるのも特徴だ。

2011年03月11日 09時00分 公開
[井上猛雄]

 「Wooolive」(Wooo+NetCS-HD)は、2008年10月に製品化された日立製作所ビデオ会議システムである。本製品は、日立ハイビジョンテレビ「Wooo」と、ビジュアルコミュニケーションシステム「NetCS-HD」を組み合わせたもので、「Wooo」のブランド名を冠した愛称は、臨場感あふれるコミュニケーション環境のイメージを思い起こさせる。

 Woooliveの目玉は、最大1280×720ピクセル(30fps/60fps)という高品位なHD映像と、エラー耐性の強い送受信を実現した点にある。日立製作所の北折孝幸氏(情報・通信システム社 通信ネットワーク事業部 企画ネットワーク本部 企画部 担当部長 兼 Wooolive開発部 担当部長)は、「開発当初より地デジ化を意識していた。今後、世の中の流れは基本的にHD対応が当たり前になってくる。そのため、従来のSDも包含する形でHDへの対応を考慮した」と説明する。

画像 Woooliveのウリは最大1280×720ピクセル(30fps/60fps)の高品位HD映像。インターネット回線でもストレスのない会議が可能だ

パケットロスに強いH.264/SVCに対応

画像 WoooliveではHDとSDを混在させたビデオ会議環境の最適化を図ったと説明する北折氏

 そして2008年当時、業界でいち早く最新の映像符号化方式であるH.264/SVC(Scalable Video Codec)を採用したという。2007年にITU-Tで標準化された最新コーデックである。映像信号を解像度ごとに階層化してチャンネル出力することにより、データ通信時のパケットロスによる品質劣化を抑制する技術が含まれている。そのため、仮にベストエフォート型のネットワークで通信状態が悪化しても、自動的に下位階層の解像度に変化(復元)させ、常に乱れのない映像のやりとりや音切れのない会議が行えるという特徴を持つ。

画像 H.264/SVCは通信時のパケットロスによる映像品質の劣化を抑制できる

 またWoooliveには、もう1つ特筆すべき点がある。接続する拠点の端末、回線によって解像度や速度が異なっていても、各ロケーションに最適な状態で接続できるように自動調節してくれるという。「通常、システムに解像度の低いCIF画像やSD画質の端末が混在する場合、それらに足を引っ張られる形で高画質のHD端末側の映像品質が落ちてしまう。しかしWoooliveでは、そうした混在環境でも映像パフォーマンスの低下を気にせずに利用できる」(北折氏)という。ロケーションによっては必ずしも高品質な映像が求められないこともあり、そのような場合にメリハリの利いた端末配置が可能になる。

画像 特徴的なポール状のマイクアレイ。上下方向の指向性制御によって会議中の人々の声を集め、不必要なノイズをカットする

 もちろん映像だけではなく、「われわれも他メーカーと同様、音質は重要だと考えている」(北折氏)。「ビデオ会議業界では、当初から音質向上に力を注ぐメーカーは多い。会議を実施するときは映像も大事だが、音声が通じないとコミュニケーションを継続できないからだ」

 Woooliveは、時々刻々と変化する音響環境に対応する「適応型エコーキャンセラー」を採用しており、環境による不快なエコーを抑制し、自然な音声を作り出すことが可能だ。さらに、ユニークなポール状のマイクアレイでは、会議中の話者の「口」の高さから出る音を集める工夫(上下方向の指向性制御)を凝らすことで、デスク上で資料をめくる音やPCのキーボードをたたく音など、バックグラウンドノイズをカットする「不要音除去機能」も搭載。こうした細かい配慮により、明瞭な会話を実現している。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 株式会社スタディスト

「そのマニュアル、本当に見られている?」 活用されるマニュアルのポイント

業務マニュアルは使われて初めてその効果を発揮するが、そもそも見られていないことから、業務課題を一向に解決できないという企業は多い。“活用されるマニュアル”を作成・共有するには、どんなポイントを押さえるべきか。

製品資料 株式会社スタディスト

現場で使われないマニュアルと決別、活用されるために必要なコツとは

マニュアル作成において、90%以上の組織がビジネスソフトを利用しているが、それでは活用されるマニュアルへのハードルは高い。きちんと現場に使われるマニュアルにするために、ノウハウを把握しておきたい。

製品資料 株式会社スタディスト

不適合品発生の原因は「人」と「方法」、改善を促すマニュアル作成・運用術

製造業では、不適合品を極力減らすカイゼンの取り組みが重要だ。ある調査によると、不適合品発生の原因の多くは「人」と「方法」に関連しているという。企業の対応策で一般的なのはマニュアルの運用だが、ここには落とし穴がある。

製品資料 株式会社スタディスト

DXの推進を阻む「移行コスト」を解消し、新規ツールを浸透させるには?

あらゆる業界でDXの取り組みが加速する一方で、成功を実感している企業は1割にも満たないという。最大の障壁となる「移行コスト」を解消し、新規ツールを「誰にでも使える」状態にするための方法を探る。

製品資料 双日テックイノベーション株式会社

従来の電話の在り方を見直し、働き方の多様化に柔軟に対応する方法とは?

さまざまなWebシステムが使われるようになった今も、電話はやはりビジネスに不可欠なツールである。とはいえ働き方改革やDXを受け、企業における電話の在り方も大きく変わってきた。そこにフィットするソリューションがクラウドPBXだ。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。