「Office 365」で変わるExchange管理者の役割自分の将来を見ていないITマネジャーは駄目

Microsoft MVP受賞者たちは、「Office 365の登場でExchange管理者の役割が変わる」と口をそろえる。Office 365を管理するために、Exchange管理者はどう備えればいいのか。

2011年05月16日 09時00分 公開
[Matt Gervais,TechTarget]

 先進的なMicrosoft Exchange Server(以下、Exchange)管理者たちは、近く登場予定の「Microsoft Office 365」(以下、Office 365)に期待を寄せているが、その一方で、こういったサービスに否定的なスタンスをとる管理者たちは、自身のキャリアの将来を閉ざすことになるだろう。

 先ごろラスベガスで開催された「DevConnections」カンファレンスにおいて、Exchange分野のMicrosoft MVP受賞者であるトニー・レッドモンド氏は、「Exchange管理者としてしか自分の将来を見ていないITマネジャーは駄目だ。多くのExchange利用企業がホステッドメッセージングサービスの検討を始めようとしている」と述べた。レッドモンド氏によると、クラウドとOffice 365を受け入れ、これらについて勉強するExchange管理者が生き残れるという。

 Office 365はMicrosoft Officeデスクトップスイートと「SharePoint Online」「Exchange Online」「Lync Online」を1つのパッケージにバンドルした製品だ。Microsoftでは、年内にOffice 365のリリースを予定している。

 意欲と能力を持ち合わせているExchange管理者はOffice 365の管理者になれる。Office 365のサポートでは、バックアップとリカバリ、パッチ管理、ウイルススパムの防止といったサービスが提供されるが、メッセージングと記録の管理、送受信ルール、電子メールに含まれる免責条項、記録保持ポリシー、ロール管理などを担当する社内管理者は今後も必要とされる。

 では、Exchange管理者はOffice 365にどう備えればいいのだろうか。台湾のPlanet Technologiesでエンタープライズインフラアーキテクチャを担当するExchange MVPのマイク・クローリー氏は、Office 365 Technical Blogを定期的にチェックするようアドバイスしている。

 ITスタッフはOffice 365でユーザープロパティを修正するために、Windows PowerShell(以下、PowerShell)のリモート操作に精通する必要があるという専門家もいる。PowerShellコマンドを利用すれば、自社開発アプリケーションの移行も可能だ。クローリー氏は、DevConnectionsの別のセッションで、「PowerShellを使えばOffice 365への移行に向けてActive Directoryを準備できる」と指摘した。

 さらに同氏によると、カナダのResearch In Motion(RIM)製のスマートフォン、BlackBerryのユーザーを抱えている管理者にとっては、Office 365の登場は歓迎すべきことだという。同製品では、現在のBlackBerryユーザーに無償ライセンスが提供されるからだ。RIMもクラウドベースの「BlackBerry Enterprise Server(BES)」サービスを提供する予定だ。

ITmedia マーケティング新着記事

news171.png

2024年のGW予算は横ばい 賃上げよりも物価高と円安の影響が勝る?――インテージ調査
インテージが全国の15歳から79歳の男女を対象に実施したゴールデンウイークに関する調査...

news148.jpg

CNN幹部が語る、メディアビジネスにとってのAIのリスクと機会
生成AIがコンテンツを量産し、真偽の明らかでない情報があふれかえる中、メディアの価値...

news016.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2024年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。