FCoEとInfiniBand。データセンターと仮想サーバとの統合を検討する上では欠かせない2つの技術について、市場動向や導入傾向などを交えながらその最新動向を紹介する。
多くの大企業のIT部門がデータセンターと仮想サーバの統合を検討している。インフラストラクチャのアップグレードに当たっては、最新のストレージネットワーキング技術の導入を考える必要がある。前編「帯域幅のアップグレードに温度差があるファイバーチャネルとイーサネット」に続き、データセンターのストレージネットワーキングインフラの最新事情を紹介する。今回は、Fibre Channel over Ethernet(FCoE)とInfiniBandを取り上げる。
標準化作業が完了し、FCoEに関する制約はほぼ解消された。これにより、IT部門はエンド・ツー・エンドでサーバ/ストレージ間にロスのない10ギガビットイーサネットおよびFCoE技術を、ネットワークコアにもマルチホップのスイッチ・ツー・スイッチFCoEを導入できるようになった。
しかし業界アナリストによると、実際のところ、ほとんどのアーリーアダプターはFCoEを現在も集約型スイッチ「トップオブラックスイッチ」間でしか利用していないという。トップオブラックスイッチはLANのトラフィックとFC-SANのトラフィックを分割し、ストレージトラフィックはFC経由でコアスイッチとストレージアレイに流れる。
Dell'Oroは、FCoEスイッチポートの2012年の出荷数は139%増。利益は43億7300万ドルから91億9600万ドルと対前年比で110%増になると予測する。また、2013年のスイッチポート市場も、引き続き売上高が74%増、出荷数が78%増と好調に推移すると見ている。いずれの年も、モジュラーシャーシベースのダイレクタレベルスイッチに代えて、固定コンフィギュレーションスイッチ(トップオブラックと埋め込みブレードサーバを含む)が主力になるという。
「10ギガの普及とともに、FCoEは波に乗るだろう」とWikibonのミニマン氏は語る。「FCoEが現行製品を全て駆逐するわけではないが、今後着実に浸透していく」
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