中堅・中小企業では分析やデータ活用業務でどのような課題を抱えているだろうか。導入検討中のBI製品や活用したいデータ、BI分野で注目しているテクノロジーなどの調査結果をリポートする。
TechTargetジャパンは会員を対象に「中堅・中小企業のビジネスインテリジェンス(BI)導入意向に関するアンケート調査」を実施した。調査からは導入を検討しているBI製品や、「Microsoft Excel」(以下、Excel)による分析業務の課題の他、BI製品/サービスで活用したいデータの種類などが明らかになった。以下で調査リポートの一部を抜粋して紹介する(関連記事:BI導入の課題は「導入効果の明確化」、中堅企業では「データ整備」も)。なお、本稿では企業規模を従業員数で区別しており、従業員数500人以上を「大企業」、従業員数500人未満を「中堅・中小企業」と呼んでいる。全ての結果を記載したリポートは文末のリンクから会員限定でダウンロードできるので、参照いただきたい。
目的:TechTargetジャパン会員の中堅・中小企業におけるBI導入動向について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年9月10日から10月2日
有効回答数:211件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
多くの企業で分析・データ活用業務に利用されているExcel。今回の調査でも利用率は8割を超えている。では、Excelでの分析・データ活用業務の課題や不満はどのようなものが多いだろうか。最も多く挙げられたのは「データ量が多くなるとパフォーマンスが悪い」(60.6%)だ。
企業規模別に見ると、大企業、中堅・中小企業ともに「データ量が多くなるとパフォーマンスが悪い」「リポートを作るまでに時間がかかる」が上位の課題だが、中堅・中小企業では3番目の課題として「リアルタイム性がない」(31.0%)が挙がった。一方で、中堅・中小企業で「ピポットテーブル以上の集計・分析業務が難しい」「他の人に業務を引き継ぐのが難しい」といった課題を挙げる人は、大企業に比べて若干少ない。
中堅・中小企業におけるBI製品/サービスの導入意向は、「1年以内に導入予定」「中長期的に導入を検討している」を合わせると14.1%。「これから情報収集を行う」は30.1%となっており、現状は情報収集段階の企業が多いことが分かる。
では、中堅・中小企業が導入を検討しているのは、どのBI製品/サービスだろうか。導入検討製品として最も多く挙げられたのは「Microsoft SQL Server」(34.7%)で、大企業に比べても導入検討率が高かった(大企業では21.4%)。次点は「Oracle Business Intelligence」(22.4%)、「Dr.Sum EA」(14.3%)で、この3製品以外は全て10%を下回る導入検討状況だ。
BIで活用したいデータを尋ねた結果、企業規模で違いが見られた。大企業では「基幹システムのログデータ」(42.9%)がトップで、次いで「顧客や見込み客の個人情報データ」(28.6%)だったが、中堅・中小企業では「顧客や見込み客の個人情報データ」(40.8%)がトップとなっている。
一方、昨今ビッグデータの潮流の中で活用の有効性が取りざたされることの多い「Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアのデータ」の活用意向は、大企業で17.9%、中堅・中小企業で16.3%となっている。大企業では「RFIDなどのセンサーデータ」「ECサイトのアクセスデータ」(共に25.0%)の活用を考える企業も多いが、やはり先述した「基幹システムのログデータ」と「顧客や見込み客の個人情報データ」の活用意向が、企業規模を問わず突出している。現状はこれまでため続けてきた社内データの有効活用に力を入れたいと考える企業が多いことが分かる(企業のデータ活用動向、まずは基幹システムと顧客情報から)。
昨今特に進化が目覚ましいBI分野だが、読者はどのようなテクノロジーに注目しているだろうか。アンケート結果では、中堅・中小企業で「クラウドでのBI利用」「スマートデバイスでのBI利用」、大企業で「クラウドでのBI利用」「インメモリコンピューティング」が多く挙げられた。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性を紹介している。ぜひ参照されたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
工場や倉庫などの現場では、人手不足などにより業務負担の増大が懸念されており、業務のデジタル化と業務プロセスの改善が急務となっている。そこでモバイルアプリの作成からデータ連携までをノーコードで実現できる製品が注目されている。
広告や小売、観光振興、まちづくりなど、さまざまな領域で導入が進む「人流データ」。その活用でどのような施策が可能になり、どのような効果が期待できるのか。人流データ活用の6つのユースケースを紹介する。
人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。
多くの企業でデータ活用が模索されているが、データ処理の煩雑さや属人化が課題となっている企業は少なくない。そこで注目したいのが、データ分析ツールの活用で課題を一掃した「ゼンリンマーケティングソリューションズ」の取り組みだ。
複雑化を続けるITシステムの運用管理は、企業にとって大きな負担だ。そこで負担を軽減するものとして注目したいのが、クラウド上でさまざまな機能を利用できるマネージドサービスだ。本資料では、その詳細を解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。