大企業向けERPの代表であるSAP ERPとOracle。両製品の導入コストを構成するライセンス、ハードウェア、サービスはどのような割合になっているのか。実際の事例から探る。
前回記事「【コスト分析】ERP初期導入時の標準的なコスト割合とは?」では国内市場の主要なERPパッケージを対象にコストモデルの特徴を述べた。今回は、大企業向けERPのコストモデルを2つの実例を基に分析してみる。なお今回取り上げるコストモデルは、実際のパッケージ選定案件の見積もりからアイ・ティ・アール(ITR)が算出した。
最初に会計などの間接業務系システムを主体とする事例で分析する。RFPによる製品選定の対象となった業務分野は、会計、購買、人事・給与。主要なグループ企業も展開対象範囲に含まれている。ユーザー数はこれらの業務分野の基本ユーザーに加えて、経費申請と購買申請、人事・給与関連の申請、承認ワークフローを含めると、トータルで5000人を超える規模である。また人事・給与の対象となる従業員数もグループで1万人を超えていた。なお展開対象のグループ企業は当面国内のみであるが、将来は海外にも展開させる予定であった。
この事例は販売、生産、物流などの直接業務分野を含む一括導入ではないが、グループ企業も対象とした大規模案件として参考になるだろう。構築期間は、国内外のグループ企業を対象範囲に含むため、2〜3年程度が想定されていた。このように、構築規模が大きく、構築期間も長くなる場合は、間接業務系システムのみを切り出してリスク低減を図ることが多く、その典型といえる。
こうした国内外のグループ企業を対象とする大規模システムで、複数の業務分野を導入対象とする場合は、SAPジャパンの「SAP ERP」、日本オラクルの「Oracle E-business Suite」「PeopleSoft」が選定候補となることがほとんどである。それでは、この2社の製品で、第1回と同様にコストモデルを算出してみよう。
最初に、アドオンなどの追加開発を含まないコストモデルを表1に示す。なお参考として、第1回で算出した、国内で市場性のあるERPパッケージの中央値ベースのライセンス比を併記している。
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