Apple、Googleが先行するタブレット市場において、Surface Proタブレットはプラットフォーム標準化の切り札となるのだろうか。
Microsoft Surface Proのアーリーアダプターたちは、例えばバッテリー寿命など、企業への普及を妨げる要因になりそうな問題を指摘する。だが、非Windowsデバイスの管理に頭を悩ませるWindows環境の企業は、そうした第1世代のデバイスにありがちな初期問題を大目に見ようと考えるかもしれない。
中小法律事務所向けのモバイルアプリケーションを開発する米TeliAppのCEO、ジョン・ワイズ氏は、「Surface Proタブレットの導入により、Windowsを利用する企業は社内を単一のプラットフォームで標準化することが可能になり、管理が容易になる」と語る。TeliAppのCTO(最高技術責任者)も、自社の環境にSurface Proを取り込むことで、BYODに絡む多種多様なデスクトップ、ラップトップ、そしてタブレットのサポート問題を解決したいと考えているという。
「CTOはマーケティングやビジネス開発、販売など、社外に出る機会の多い従業員にSurface Proを与えるべきだと進言している。Surface Proを導入すれば、従業員の利用する他のマシンを全てなくすことができるからだ」(ワイズ氏)
小売り企業の米Staplesで、サービスおよび新規事業技術担当副社長を務めるジム・シグリアーノ氏も、「Surface Proタブレットはスモールビジネスに対して、デスクトップやノートPCよりずっと経済的にプロフェショナルグレードのコンピューティング環境を提供する」と指摘する。Staplesでは現在、IT部門でSurface Proタブレットを1台利用しているが、「Surface Proは特殊なソフトウェアを必要とせずに、経営陣に必要な情報を提供できる」と同氏は評価する。
「スモールビジネス環境の場合、現場でさまざまな指示を数多くこなさなければならない。そうした中、弊社でSurface Proタブレットを使ってみたところ、多くの面で好意的なフィードバックが得られた。スモールビジネスにおいてSurface Proの需要は伸びると考えて間違いないだろう」と同氏は付け加える。
MicrosoftはSurface Proタブレットの市場動向を注意深く見守っている。だが、無線接続やバッテリー寿命など、アーリーアダプターが指摘する問題は、先行するAppleやGoogleが待ち構えているタブレット市場において、“先進性に富んだ新しいタブレットプロバイダー”としてのMicrosoftの名声を曇らせかねない。
しかし、デバイスそのものの利便性に加え、Office 365サービスのサブスクリプションも提供されるアプリケーション面での販促策、また128Gバイトで1000ドルという価格などから、こうした問題があってもアーリーアダプターたちはSurface Proに対して多少寛大になるはずだ。
実際、調査会社 米451 Researchの1部門であるChangeWave Researchによると、「Surfaceに対する需要は拡大しつつある」という。IT関連支出の権限を持つ1506社のIT担当者を対象にした同社の調査によると、「2013年第四半期にタブレットを購入するか」という質問に対して、全体の24%が「購入計画がある」と回答。そのうちの73%はAppleのiPadを購入する計画だが、16%はMicrosoftのタブレットを購入する予定だという。
2012年第4四半期に行った調査では、Surfaceデバイスを購入する計画があると回答した企業は5%に過ぎなかった。タブレットに対する全体的な累積需要を反映しているだけかもしれないが、ダブレット市場を狙うMicrosoftにとって、現時点では追い風が吹いているといえそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...